2018年8月18日土曜日

「主のための臨戦態勢」Locked and Loaded for the Load 文: Tom Dunkel 写真 Bryan Anselm 2018 年 5 月 21 日

Locked and Loaded for the Load
主のための臨戦態勢

タイトルは「銃に装填し、主を待つ」です。
ワシントンポストはこの記事で'天一国憲法は「ものすごいパワフルな文書だ」と称賛をしました。
家庭連合の多くの人々が、私たちが天一国憲法を出す時、2代王様が自分勝手に大雑把に憲法を作ったと言った事を知っています。
しかし、主流メディアのワシントンポストが、天一国憲法がパワフルだと言ったので、彼らも考えを変えるかもしれない、こんな気がします。
実は、ワシントンポストは真のお父様を本当に嫌いで、敵視してきたのではなかったのですか?
もちろん、私たちが終末を待つというふうにと言っているし、それは事実ではないのですが、7年の患難の時間は既に始まったと、私たちは話しています。
もちろん、この記事が私たちを透明に代表してはいませんが、それでも基本的には公正だと思います。
グスリポート5月22日(火)より

文: Tom Dunkel 写真 Bryan Anselm
2018 年 5 月 21 日

サンクチュアリ教会-その正式な名称は、世界平和統一聖殿。また、さらに雄々しい響きで「鉄のつえミニストリ」とも呼んでいる。ペンシルバニア、スクラントンから南東に25マイル(約 40km)のニューファウンドランドを巡る州道沿いにひっそりとそれは建っていた。
以前は、聖アンソニー・カトリック教会だった、平屋の低い構えの建物だ。それ以前には、コミュニティのための劇場として使われていたという。だから舞台の正面の半円形の部分にしか席がない。そのかつての舞台がいま、祭壇、説教壇になっている。
今年2月のある日曜の朝、故文鮮明師の息子である38才の亨進(ショーン)牧師が白のパーカーとカーゴパンツのいでたちでステージに登場した。「さあ、始めて」と声をかけるとエレクトーンに合わせて二人の女性ボーカルが聖歌隊として歌い出した。4曲続くその最初の曲を歌い始めた。
「オー・ライト・オブ・グレース・・・シャイニン アバーブ、ライティング マイ ディム、シャドウズ アウェイ・・・」
部屋一杯の200人以上の教会員たちが、共に生き生きと歌った。ショーン牧師は最前列の自分の席で立ち上がり、オーケストラの指揮者のように自ら手を振るショーン牧師。その横では夫人が隣に並んで歌った。聖歌が一通り終わると、短い祈祷の後、牧師は演壇の中央に立った。
「この主権を表す王冠の波をご覧なさい!」と叫びながら会衆を眺め渡した。サンクチュアリ教会の一つの教条は「神の国では全員が独立した王、王妃である」というものだ。
平たく言うと個人の主権を踏みつけるな―という考えだ。
それに応じるように、象徴的な金銀の王冠が、列をなして揺れ動いていた。
この群れは、きたるべき水曜日に行われる祝福誓約式のウォーミングアップなのだ、だから通常の礼拝の倍の人がいるのだ。祝福誓約式-正式には「天宙天地人真の父母様・天一国生命の書入籍祝福式」という。これに先立って一週間にわたって、武道大会やサバイバル・スキル・コンテスト、山羊の解体などが行われた。そのクライマックスが祝福式だ。
この祝福式はアメリカ全土の注目を集めた。サンクチュアリ教会にとってもこれは予期せぬことだった。なぜなら地元紙ポコノ・レコードにさえ取り上げられたことがない存在だったからだ。
サンクチュアリの教義の柱は銃器所有の重要性だ。しかも特に軽量で強力な AR-15(セミオートマチック)、NRA (全米ライフル協会)が「アメリカでもっとも人気の高いライフル」と呼ぶ銃だ。
昨年秋、ショーン牧師はヨハネの黙示録について深く研究し、そこにキリストが地上天国を「鉄のつえ」で治めるという言葉が繰り返し出て来ることを重く見た。黙示録は銃器が登場する千年以上前に書かれたものであるが、ショーン牧師はこう結論を下した。
「聖書のいう『鉄のつえ』はAR-15を指すものであり、「独裁者」ではないキリストが、彼の王国の平和を保つためにキリストを助ける武装した主権者たちが必要だ。」
その結果、サンクチュアリ教会からの通達として「祝福のカップルは来るべき生命の書入籍式典にAR-15ライフル(もしくは同等の銃)を携帯すること」が求められた。
これは教会にとっては不幸なタイミングであった。通達が出された翌日、フロリダ州パークランドのダグラス高校で一人の若い男がAR-15で17人を射殺したのだ。犯人は、ラスベガス、オーランド、サン・ベルナディオ(カリフォルニア)などで起きた乱射事件で使用されたものと同じ型のライフルを使った。
この最近起きた悲劇(訳注:フロリダの高校乱射事件)は数百万人の心に鮮烈に刻み込まれた。ショーン牧師もその一人だ。
彼は日曜朝の約一時間の説教をゆっくりと始め出したが、パークランドの高校乱射事件について、トランプ大統領が語った内容を聴衆に聞かせた。「トランプ大統領はもし教師が銃を持っていれば犯人を即座に撃ち殺していたはずだ。アメリカの大統領がこの様に語るの聞いたことがありません。これは神様の恵みです、皆さん!」
水曜日の式典当日にはその場にいた人は実質、全員が教会に再びやってきた。そこで、ショーン牧師はいくつかの安全確認について確認を行った。結束バンドで引き金を固定したか-「皆さん、いいですか。弾は持ち込んではダメです。」しかしこれは必ずしも銃器持ち込み禁止ということではない。銃の隠匿携帯のライセンスを持っているものはAR-15と共に自由にピストルを持ち込んでよかった。(いわばミニ鉄のつえだ。)ショーン牧師は言った。「羊の皮を被ったオオカミが面倒を起こすかもしれない」。
いくつかお知らせを挿んだあと、説教の本題に入った。まずは慣れた様子で聖書から聖句を引用した。「鉄のつえ」が悪人を打ちすえる箇所を読む。演壇をゆっくりと歩きながら、堰(せき)を切ったように自由奔放に火と硫黄のような批判を加え、説教は途切れることなく続いた。
「皆さんは奴隷根性を捨てて、王家の心構えを持たなければならない。・・・民主党はナチの協力者、ジョージ・ソロスの資金援助を受けて共産党になった・・・偽りの牧師や聖職者は独裁者キリストを説いている」
彼は数人のお気に入りの敵に向かって思いつくまま非難の矢を放ち続けた。ヒラリー・クリントン(ロシアの書類のためにお金を払っていた)、フランシス教皇(社会主義者、共産主義者の悪魔)、図体の大きくなり過ぎた政府、「イエス様は権力を集中させようとしなかった。
イエス様は政府をつくらなかった」とショーン牧師は語った。「過去100年間、最悪の殺人者は中央政府だ。」とも。
ショーン牧師は、教会の若者たちが軍事訓練に準ずる訓練をしている短いビデオを見せた。
これはサンクチュアリでいう平和警察・平和軍だ。森の中を駆けながらの射撃訓練もする。
彼らは主のために迷彩服を着用する。フィリピン式ナイフ訓練も学ぶ。「怖いもの知らずのタフな人間になることではなく、人を愛するがゆえに強くなる訓練をするのだ」ショーン牧師は信徒たちに言う。「鉄のつえの道は愛の道だ。」
数日の間、レポーター、カメラマン、TVのカメラクルーらが、まだ人々が寝静まる時間から祝福式の取材のために集まってきた。聖なる教会とセミオートマチック・ライフルの奇妙な組み合わせにひかれてプロの取材陣、やじ馬の見物人が集まってきたのだ。

しかしメディアの大騒ぎも、答え切れない疑問を残したまま、すぐに別の話題に向かうだろう。その疑問とは―サンクチュアリ人とはいったい何者なのか? この国の既に引き裂かれている政治と宗教の状況に銃を持ち込む彼らの願いは一体どこにあるのか?これだ。

怖いもの知らずのタフな人間になることではなく人を愛するがゆえに強くなる訓練をするのだ-文亨進牧師

文鮮明師が2012年に肺炎の合併症で92才の生涯を閉じたとき、家族の中で権力闘争が起きた。兄の文国進(ジャスティン・ムーン)の支援を受けて、統一教会の10人の兄弟姉妹の中から自分が後継者に選ばれ、二代王として王冠を授かったと強く主張する。彼の父が完全なメシアであると言われたのに対して、自分がそうであるとは言わない。しかし、神の王国創建を成し遂げる責任をもつという。ところで彼の母親である韓鶴子は52年連れ添った夫、Rev.ムーンは自分にバトンを渡したと主張している。
争っている教会の根は、韓国とアメリカの双方にある。Rev.ムーンは現在の北朝鮮(当時は日本の一部)で 1920 年に生を受けた。彼の話では、15 才の時にイエスが現れて神の地上天国、天一国を韓半島の地に完成する「特別な使命」を受けたという。
しかし、彼はまず、日本に留学して電子工学を学んでいたが、韓国独立運動にかかわったことで2度投獄され拷問を受けた。祖国に帰ってから結婚。第二次世界大戦後に平壌に行き、キリスト教の宣教を行ったかどで共産政府によって強制労働所に送り込まれた。朝鮮戦争の終わり頃、強制労働所は解放され、文師は南へ向かう。
彼(文師)は1954年ソウル教会をソウルに教会を設立した。そして「世界基督教統一神霊協会」と名づけた。彼は自らの考えを「統一原理」という書に書き記したが、その核心の一つは、サタンがエデンの園でエバを誘惑したというものだ。これが人間の「堕落」をもたらし、アダム、エバからカイン、アベルを経て血統を汚したたという。神は第2のアダムとして、罪なき愛を見出して人間の家庭を救済するためにイエスを送った。しかしイエスは結婚するまで生き延びることはなかった。こうして第3のアダムとして世界を救済する人物となることが文鮮明の運命となった。
彼(文師)の教団は伝統的な結婚に最高の価値を置き、婚前交渉や離婚、同性愛を非難する。
警察に2度、逮捕されながらも、この保守的なメッセージはソウルで賛同者を得た。またその2度の逮捕の理由は「性的儀式を行った」というものと「徴兵逃れ」だったが、2つとも最終的には無罪を得た。
1957年までには30か所に教会を建て、韓国の政財界にも繋がりを得た。一つ計算違いだったことは自らの結婚が上手くいかず離婚に終わったことだ。しかし韓鶴子が間もなく彼の人生に登場する。2人は1960年に結婚し、教会員たちは2人のことを神から油注がれた「真の父母」と呼び、敬った。
その10年後、Rev.ムーンはアメリカ合衆国にやってきた。この国が、地球を彼の統一の旗印の下、糾合するための足掛かりとして、不可欠な国であったからだ。ムーンは基盤を拡大し、そこに企業を連動させた。伝えられるところによれば、韓国で最初の億万長者だという。
教会員は彼の富に悩まされることはなかったが、議会が彼の「帝国」の調査に乗り出した。
また、IRS(アメリカ合衆国内国歳入庁)がそれに続いた。
1980年代半ば、16万2千ドル支払うべき税金の申告漏れがあるという理由で13カ月の懲役刑に服した。生来の起業家である彼(文師)は、服役中に、保守系のワシントンタイムズ創刊の準備を開始した。「この世界を救いたいという神のやむにやまれぬ思いを果たすため」にそうしたのだと彼は語った。
統一教会の教会員の数を特定するには、いつもその幅が広い、数万から数百万人までその幅がある。2009年にワシントンタイムズはその数を11万人だと報道している。その数がどうあれ、1990年代後半にはそのピークを迎えた。
しかしRev.ムーンの進撃は止まない。2003年には、ワシントンタイムズ紙に2面ぶち抜きの広告記事を大々的に報じた。その内容は36名の亡き合衆国大統領が文鮮明の偉大さを認めている-また、36人の大統領それぞれが天国から、支持表明のメッセージを送ってきたというものだ。『アメリカ国民よ!もう一度立ち上がり、建国精神に戻れ』とトマス・ジェファソンが語る。ちなみにジェファソンは生前、政敵から「とてつもない無神論者」と呼ばれている。そのジェファソンがこう言う『全人類のメシアであるRev.サン・ミョン・ムーンの教えに従え』
ジェファソンはかつて、アメリカの統治システムの設計者の一人だった。もちろんそのシステムはRev.ムーンの地上の王国が来れば時代遅れなものになる。
ショーン牧師はそれが実現すると確信している。その準備として彼は天一国合衆国憲法の起草に着手した。それは彼の父親が明示した原則に基づいたものだ。
この神聖なる計画に従って事が進めば、文家の血を引く君主が、国を統治することになるだろう。ショーン牧師の生存中に王国が実現すれば、彼が(天一国)合衆国の王になる。そして、サンクチュアリ教会の事実上の副牧会者である彼の兄、ジャスティン(国進様)は監察総監の位置に就くことになっている。それは政府の汚職を一掃する任を帯びたスーパー特別検察官である。「心配いらない、これは神権政治ではない」とショーン牧師はいう。「あえて呼ぶなら、リバタリアン(完全自由主義)的キリスト教君主政、あるいはリバタリアン的共和民主政です。」

文家は、主に、統一教会が所有するニューヨーク市北部の土地で13人の子供を育てた。
イーストガーデンの本館には12部屋のベッドルーム、7つのバスルームを備え、一家のすべての必要に応じるために(教会の)メンバーが常時待機する。
しかしその生活は必ずしも牧歌的なものではなかった。一人の息子は交通事故で死亡、また一人は自殺、そして三人目は、飲酒と薬物で比較的若くして亡くなった。
ショーン・ムーンは2005年の回顧録(訳注:はげ頭と苺)でこの裕福な少年時代の影の部分を書いている。
「両親に会うのは週に一度か二度という生活の中で育ってきました。またそこに一年中様々な訪問客が組み込まれます。」また続けて、「幾度となく、恐れと、見捨てられ、無視される感覚を味わいました。・・いつも私たちは教会員に囲まれていました・・・夜はいつも座り込んでは怒りで腹が煮えくり返り、そうして眠りにつくのでした。」
Rev.ムーンはアウトドアマンだと自分のことを思い込んでいたようだ。邸宅のいたるところに銃があり、ジャスティン(国進様)は14才の時、その一つを撃ってみた。そしてそれに「一目惚れ」した。
18才の時に銃携帯の許可を取得。ハーバード大学に進学して経済を専攻し、マイアミ大学でMBA(経営学修士)を取得した。暇を見つけては銃をいじり回しその設計について研究を重ねた。
大学卒業後、父親から5百万ドルを借りてイーストガーデンからハドソン川をはさんだ対岸に KAHR アームズを設立した。ジャスティンの当面の目標は超コンパクトな9mmピストルを造ることだった。このあたりの話を後に専門雑誌アメリカン・ハンドガナーで語っている。
そして彼はその目標を達成した。
KAHRは手のひらサイズの K9モデルを1995年に発表した。これには一般人も警察まで飛びついた。このジャスティン(国進)の成功が父親の目に留まり、KAHRは統一教会の事業体の一つに吸収されることになった。ジャスティンは韓国に移り、KAHRに加えて子会社の社長を兼任した。1999年には、あの“ベビーフェイス”・ネルソンなどギャングが愛用した名高い「トンプソン・サブマシンガン」を製造していた会社(訳注:トミーガン)を買収するだけの資金を取得する。
アメリカの政府機関、「アルコール・タバコ・火器及び爆発物取締局」の2016年の報告によるとKAHRが販売した銃器は、2016年1年間に、ピストル4万274丁、ライフル9千86丁だ。
ジャスティン・ムーンは修正第2条の活動的な支持者だ。一般国民も合衆国軍兵士が持つ武器はすべて所有が許されるべきだ、とジャスティンはいう。
「もしアメリカの全女性が武器所有権を行使するなら、アメリカの犯罪率は根本的に下がるだろう」KAHR社で彼は私にこう言った。「もうレイプも強盗もできないだろう」
ジャスティンが統一教会(財団)の位置を上っている頃、ショーン(文亨進様)はジャスティンの後をハーバードまで追いかけることになる。ハーバード・エクステンションスクールでリベラルアーツ(訳注:「自由七科」文法学・修辞学・論理学の 3 学、および算術・幾何・天文学・音楽の4学)学士を取得後、ハーバード大学院(神学校)に進学して修士号を取得した。その後、アメリカ、韓国、インドで仏教の研究に8年を費やした。
ショーンには、「自分とは何者なのか」という問題を探しに出なければならない切実な理由があった。まだ彼が学生の頃、1999年に彼の兄、ヨンジン(フィリップ:栄進様)がラスベガスのホテルの17階から飛び降りたのだ。二人は一緒に育ってきた。フィリップは21才でショーンの一つ上だ。
「生まれてからほとんどの期間、同じ部屋で生活しました。一緒にビデオゲームをし、一緒にドリトス(スナック菓子)を分け合いました。」
こうショーンの回顧録には書かれている。
2007年7月、「放蕩息子」は統一教会の「群」の中に戻った。前年の秋にショーンは、6日間で1万2千回の敬拝を実行する意志を電信で伝えていた。また同じ頃には、ポスター大の紙に、医者に抜かせた自分の血で、毛筆をもちいて漢字一文字「誠(sincere)」を書いた。
ショーンの最初の仕事は統一教会のソウル教会での牧会だった。それから10カ月もたたない頃に、世界会長に任命された。ショーンは3度の式典で、彼の父は自分を「相続者、後継者」に任命したという。しかし、彼はまた兄プレストン(文顕進)と韓鶴子に対しての複雑な反応も見せた。2012年に夫が亡くなって数日後、彼の父がソウル北部の山上に建てた豪華な天正宮に来るようにと韓鶴子はショーンを呼んだ。ショーンによると、韓鶴子は「私は神だ、私はハナニムだ」と彼に宣言したという。それに対して彼は言った。
「お母さん、どうかそのようなことを言わないで下さい。お父様も喜ばれないでしょう」。
彼によると、母、韓鶴子は教会の活動から徐々に彼を締め出し、ついには彼の電話に出ることも拒んだという。2013年、彼の父親の死後、1周年にショーンは、母に会えることを期待して宮殿におもむいた。これは彼(亨進様)の言い分だが、その時、母親は警護員に犬でも追い払うように彼を追い払わせたという。
ジャスティン・ムーンは弟についた。偶然その頃、ニューヨーク州はジャスティンを困らせる、銃規制法を何本か州議会で議決した。そこで自分を含め、KAHR社も統一教会から離脱することを決意し、KAHR社の本社も移転した。2013年の春には、兄弟二人は家族と共にペンシルバニアに落ち着くことになった。

ショーンは自宅のリビングでサンクチュアリ教会の礼拝を開始する。その頃、自宅はローズ・バレー(主の谷)という町にあった。
リビングに礼拝参加者が入りきれなくなり、ベスト・ウエスタン(ホテル)のバンケット・ルームを借りて礼拝をおこなった。2014年5月にサンクチュアリは、以前カトリック教会であった、ニューファウンドランドの建物に落ち着いた。メンバーの自由な献金が2015年には68万3千ドル、2016年には最初の半年で49万I千ドル集まる。
ジャスティン(国進様)が弟フィリップ(栄進様)の名前をつけて運営している「栄進基金」がサンクチュアリ教会を支援した。2015年と2016年を合わせると、約38万ドルを助成金として「栄進基金」が助けた。また現教会の敷地も基金で購入した。この資金の流れをみれば、見通せる範囲の将来、サンクチュアリ教会の存続を保障するだろう。もちろん、ショーン牧師の、迷彩をほどこしたラングラー・ジープもだ。
2015年1月、ショーンは、母親韓鶴子が統一教会を乗っ取り、父親の聖典を書き換え、編集を加えたことを公に非難し、彼はあえて韓鶴子のことを「バビロンの大淫婦」と呼んだ。
昨年9月には、サンクチュアリ教会は韓鶴子を捨て、故人であるRev.ムーンの祝福式を行う。Rev.ムーン(彼の霊)は1950年代初めに最初の弟子となった90才の康賢實と結婚した。彼女は朝鮮半島から移って、ショーンと彼の家族と一緒に暮らしている。
韓鶴子は息子の主張に対して特にコメントはしなかった。しかし家庭連合USAの大陸会長、金起勲は電子メールでこれに回答した。
「私(金)ははっきり知っているのだが、Dr.ムーン(韓鶴子のこと)は彼の御子息、亨進ニムに手を差し伸べ続けてきました。2013年の2月以来、数えきれない位、韓国に戻ってきて私に会いに来なさいと求めてきました。それを亨進ニムはことごとく拒絶したのです。・・・母と子の間でどのような私的会話が交わされたかは、明確にわれわれは知ることはできません。しかし彼が母に対してその憤りをエスカレートさせていることは明らかです。・・・たとえ、Dr.ムーンがそのようなこと(私は神だ)を言ったとしても、彼女と、彼女の夫(真のお父様)が神のもと一つであるという我々の信仰観から外れるものではありません。イエス様もこうおっしゃったではないですか、『私と父は一つである』と。」
次女の文仁進は8年前まで統一教会で積極的な役割を果たしていた。彼女は現在、ニュージャージーで暮らしているが、ショーンとジャスティン(亨進様、国進様)について公に発言はしてこなかった。しかし、彼女は言う。「サンクチュアリ教会から出る言葉には憂慮すべきものがあります。」だから仁進は声を上げなければならないと感じているという。2人の弟を心から愛している。しかし「神様と銃の取り合わせが偶発的な暴力を誘発させる可能性は私たちの家族にとって重大な関心事です」だが、それでもまだ癒しと和解は可能だと思う、と彼女は言う。「私は今でも私の家族の統一を信じています。」
しかし、兄弟サイドには和解についての関心は全くないように見える。たしかに家系から母親を排除するだけではジャスティン(国進様)を満足させないようだ。
2016年のサンクチュアリ教会メンバーを交えた質疑応答の中で、もし王妃が王位さん奪を謀るなら、最高の代償を払わなければならない。「彼女を捕まえて、処罰することが王の責任だ」

「韓鶴子が死に値する罪を犯した」という言葉を和らげるつもりはないのだろうか。ある朝、彼のオフィスを訪ねた。KAHRアームズの野球帽をかぶりデスクの向こうに座った彼は、当時話した言葉を今でも確信している、という。
「あのコメントは公式のものです。それを取り下げるつもりもありません。」
そこでたとえ話をはさんだ。
「私は母を愛しています。しかしもし、母親が合衆国政府の転覆を試みたとしたら?おそらく国家への反逆の罪で裁きを受けるしょう。」

我々の政府(オバマ政権)は、射撃の面でも、銃器製造の面でも、皆にとって難しいものにしている。エリック・トランプ

1年半前、サンクチュアリ教会は、ショーン牧師、夫人、5 人の子供のために今までよりも大きな家を購入した。天一宮は、マタモラスを見晴らす丘の上にぽつんと建っていた。そこはペンシルバニアの最東端にあり、デラウェア川がとても近い。
ショーンはブラジル柔術の茶帯を持っている。週に何日かは、夜に、ガレージを改造した道場で柔術のクラスを開いている。
生徒は教会のメンバーだ。その大半は20代であり、いわゆる熱心な平和警察・平和軍だ。
3月後半のある水曜日、8人の女性と5人の男性がそれぞれ練習で互いに組み合っていた。
ムーン牧師が、互いの体制を入れ替えたりして指導し、一連の絞め技を教えたり、軽く試合をさせていた。サーモン色の上の道着、ゆったりした黒のズボン姿で、あぐらを組んで座り、皆を眺めている。「やってみろ!そう、それでいい。それが間違いなく筋肉に記憶として焼き付き、脳の海馬に刻み込まれる。」
激しく動いたら、休憩で水を飲ませ、何回か腕立て伏せをする。それを何度か繰り返す。そしてさらに指導。息子を相手にして、ダブルリストロックをして見せる。相手の肩にのしかかるように上腕を締める。「一度、キムラロック(ブラジル柔術ではこう呼ぶ)が決まったら、相手の肩を胸の圧力で押さえることになる、ショーンは息子に技をかけながら、「相手の頭の上に乗ることになり相手は動くことができない」
「彼は教え方がうまいね」元警官で教会員のダグ・ウィリアムスはいう。彼は教会の隣に住むが、若い時は柔道を習っていた。「厳しいが、それでいて人をやる気にさせる。子供たちもそれを知っているよ。」
生徒たちは従順に、互いの顔をマットに何時間も押し付けたり押し付けられたりしていた。
そして最後に全員で正座して一緒に「主の祈り」を唱える。ショーンは腕を上げ、つぶやいた。
「すべての栄光は神に」。
その後、クラスは解散した。
ショーン・ムーンはガレージで柔術を教えている時には大きな声はださなかったが、家の中に入ると様子が変わる。彼の個性の一部がエネルギー全開になる。月、火、木、金の午前 5 時から8時まで、ショーン牧師は自宅の台所の隣の部屋で「キングズレポート」というライブのウェブ放送を行い録画する。
彼が座る前のデスクにはマイクの横にAR-15ライフルを目立つように飾っている。衣装はいつもシャツとタイで、イーベイで買ったという迷彩柄のスーツ・ジャケットを着こんでいる。そして頭にはライフルの弾の薬きょうを磨いて作った王冠を被る。
時々ゲストを呼ぶこともあるが、NRA(全米ライフル協会)TVのビデオから一部を流したりする。しかし大抵は、保守系メディアの「三位一体」と呼ばれる、ドラッジ・レポート、ブライトバートニュース、アレックス・ジョーンズのインフォ・ウォーズから最近の話題を取り上げる。話はオプラ・ウィンフリー(サタン崇拝者)の大統領選出馬への意欲から銃規制賛同者の話まで即興でエネルギッシュに語り続ける。
文鮮明師は個人攻撃をほとんどしなかったが、ショーンとジャスティンは言葉の手りゅう弾を投げ続ける。そして父親の場合よりもっと銃に惹かれているように見える。またより政治的でもある。
「それは間違いありません」。ショーンはある日の午後、雑談を交わしている時に言った。
「2016年の大統領選挙では神のみ手が臨みました。」
投票日の1週間前に、ジャスティンは丁度ペンシルバニアを訪れていた日本のサンクチュアリのメンバーに、聖書の言葉を用いてこう言った。「ヒラリー・クリントンは堕落エバだ。
(もし当選すれば)ロシアと戦争を始めるだろう。それに対してドナルド・トランプはアダム型人物だ。彼は天使長である政府を攻撃し、正義をもたらすだろう。結果次第で、神の世界審判は全く違った形をとるだろう。」
ムーン家の兄弟は、射撃場でも、その外でも真っ直ぐに的を撃つ(率直に語る)。
ショーン(亨進ニム)にかかるとアル・ゴアは「くそバカ」、9.11は「偽旗作戦」、ハリウッドのリベラルは、「地球上で最も卑劣な盗人であり、狡猾に操作する、邪悪な意図をもつ悪魔たち」となる。またジャスティン(国進ニム)は、社会福祉受給者は「寄生者」、民主党については「民主党内には多くの小児性愛者がいる。トランプが自分たちを文字通り、ひっ捕まえて逮捕して投獄、断罪することを知っている。」
二人の率直な物言いは、祝福式の3週間前に「南部貧困法律センター」の耳に届いて、サンクチュアリ教会を「ヘイト監視」の対象に定めたが、皮肉なことに、それがまたサンクチュアリ教会の存在感を全米にアピールした。
「南部貧困法律センター」は「カルトのリーダー」が信徒に銃の携帯を奨励し、公立学校に通う子供が「学校で同性愛とトランスジェンダーを吹き込まれている」と語っていると問題視した。これに対してショーンは自身のフェイスブックで「南部貧困法律センターが極左のヘイト団体だということは有名な話だ」と反論した。


2013年12月、ジャスティン(国進ニム)はニューファンドランド北部に620エーカーの工場建設用地を現金2百万ドルで購入した。2016年4月30日にカー銃器のトミ
ーガン展示販売店のオープニング記念イベントが行われた。この店では、ライフル、ピストル、ナイフ、緊急時には侵入者や鹿を倒すことができるブルックリン・スマッシャー・スチールバットなどが手に入る。
このオープニング・イベントの来賓にエリック・トランプが登場した。ジャスティンは私(記者)に「神様の計らいで実現した」と語った。何の前触れもなく、「エリックが行きたいと言っている」とトランプ選挙対策チームから電話があったという。
こうしてエリック・トランプはやってきた。ショーン(亨進ニム)はエリックをこう紹介した。「武装権を守り広めてくれる大統領を私たちは選ばなければならないというのが私自身の意見です。・・・ヒラリー・クリントンを決してアメリカ大統領にさせてはいけないということに皆さんが賛同してくれることを願います・・・USAに神の祝福がありますように!銃と弾を買っていってください!」

エリックはオープンカラーのシャツと黒っぽいジャケット姿で、ライフルを陳列している壁の前、合衆国国旗の横に立った。
「今回の選挙はすべての銃所有者にとっても大きな選挙です。修正第2条の自由を増し加えるか否かの違いがあります。」そしてアメリカの失業問題に触れて、「ここでは何も対策をうたないでいい。その意味で、ジャスティンは大きな大きな称賛をうける資格があります。・・・今の(オバマ)政府は、射撃の点でも、銃製造の点でもやりやすい政府ではない。」
その1年半後、祝福式の前の土曜日に、マタモラスのホテル、ベスト・ウエスタンで「鉄のつえミニストリ」とカー・アームズの主催する「トランプ大統領感謝します」晩餐会を開催した。トランプ大統領の等身大写真だけがトランプ家からの参加者だ。
このイベントはGOA(米国銃所有者協会)の資金集めを兼ねたものだった。GOA専務理事のラリー・プラットはNRA(全米ライフル協会)よりも銃器に関して強固な立場をとる、と語った。プラット氏は北バージニアに住み、1980年代初めに州議会議員を 1 期務めたことがある。プラット氏の晩餐会でのスピーチは、銃の販売と所持のいかなる制限をも非難することにとどまらず、「連邦政府は警察行為にかかわるべきでない」とまで主張した。
ショーン・ムーンは次の超リバタリアン的主張を繰り返した。「政府は全体主義犯罪シンジケートになっている。」「ディストピア[暗黒郷]の、キリストを憎む地上地獄を造り出そうとしている。」
ジャスティンは父親を示唆しながら、こう語った。「われわれが、私有財産、銃器を手放すのなら、共産主義の死の強制収容所の中にいるのと変わらない。」
晩餐会はパークランドの銃撃事件の犠牲者への黙祷で始まり、それにサンクチュアリ教会員のテッド・オグラディによる祈祷がつづいた。オグラディはトランプに感謝して、「この部屋にいるものはこれが始まりに過ぎないということを知っています。・・・あなたは地上の神の王国を招き入れる大統領になるでしょう。」
そして最後にRev.ムーンの康賢實第 3 夫人(WP記事のママ)による抽選でカー銃器が寄贈した賞品のAR-15ライフルの当選者を選んだ。当選者は中年の女性だった。彼女は驚いて言葉も出ない様子、しかし彼女はすでに自分のAR-15をもっていた。

数日後の水曜日の朝、サンクチュアリ教会の外で20人ほどのプラカードを持った抗議グループがいた。プラカードには「父よ、かれらを許したまえ」、「神のための銃は馬鹿げてる」。
800メートル離れた小学校は念のため、全校生がこの日は別の校舎にバスで移動していた。しかし、羊の皮を被ったオオカミはおらず、騒動は起きなかった。

ニューファンドランドで生まれ育った、ジョン・ヒンドは、通りを挟んだ自宅のポーチから食い入るように様子を眺めていた。サンクチュアリ教会の人についてこう述べた。「あの人たちはいい隣人ですよ」「誰にも迷惑をかけたことはありません」
「だけど、奇妙な人たちだ」とジョンの友人のキャロル・ウッドは細い葉巻をふかしながらいった。「銃を祝福するなんて。何か紛らわしくて腹立たしい。」
さて、教会の中は、溢れんばかりの参加者、教会員に加えて、50人余りの各報道レポーターとカメラマンが壁に並んで陣取っている。(また会場に入りきれない100人ほどの人が隣の部屋でモニターを通して観ていた)
それらの人々に司会のティモシー・エルダーは言った。「これはものに過ぎない銃を祝福するのではありません。厳密にいうなら、銃を所持する新郎新婦が聖婚の誓いを新たにするものです。」
10時30分になる直前、ティモシー・エルダーが全員にAR-15を各自のケースから取り出すように促した。
「銃口は慎重に上に向けて、引き金に指をかけないように」。
この瞬間のカメラのシャッター音がけたたましい。ピンクと白の礼服を着た付添人が行列を聖域へと先導し、それに武装して軍の戦闘服を着た3人の旗手がつづいた。
次いで、ショーン牧師 “二代王” と、彼の妻ヨナ・リー・ムーン “王妃” が登場する。2人とも白い服に身を包んでいる。そのすぐ後にはダークスーツを着て野球帽をかぶったジャスティン・ムーンが続く。
マザー康は、祭壇の白と金で飾られた椅子に腰かける。
マザー康の隣の席の上には姿なきレバレント・ムーンを象徴する王冠が置かれた。

ショーン牧師は、綴じられた一冊の天一国合衆国憲法を祭壇のテーブルの上に慎重に置く。
彼の妻は金のAR-15を両手に抱えていた。
「王と王妃は憲法を守る位置に置かれた式典用のスタンドに鉄のつえをいま据えられます。」
エルダーが全体に説明する。
参加した約500名の花婿と花嫁が小さなカップに注がれたワインを共に飲んだ。
「夫と妻として永遠の絆を約束しますか?」
彼らは誓いを立てる。
王は長い祈りをしその祈りの中で、新郎新婦が、その「主権と武器を所持する権利、地を相続する権利、それらを社会主義、共産主義、政治サタン主義から守る」ことを再確認した。
夫と妻は次に指輪を交換した。サンクチュアリ(聖所)に拍手と喝采が鳴り響く。

その外では、穏やかな言葉の争いが繰り拡げられていた。教会前の芝生のところで韓国のサンクチュアリの教会員の軍団が、国の分断に言及する6メートルほどの長さの横断幕を広げていた。
「ありがとうUSA。われわれはアメリカから受けた恩を決して忘れない。神に選ばれたトランプ大統領、38度線に戦術核兵器を配備して下さい」
胸までの高さのあるフェンスが道路沿いに張りめぐらされているが、サンクチュアリのメンバーが内側、抗議活動をする人たちは外側で動いていた。
この2派の敵対する者たちは、紳士的に議論を戦わせていた。
ギデオン・ラウチは20代後半の統一教会2世だが、所属をサンクチュアリに変えている。
ギデオンは、ショーン(王様)の活動的な平和警察だ。
グラフィック・アーティストのテディ・ホーズは39才、サンフランシスコから飛んできた。
テディ・ホーズはカルトに関するドキュメンタリー(訳注:A&E)出演のためにやってきた。彼も統一教会の2世として、イーストガーデンの近くで育ち、文家の家族とも近しい関係だった。ホーズは何年も前に教会を離れている。

「たった一発ですべてが変わってしまうこともあるんだ」ホーズはラウチに言った。
「銃を慎重に扱うべきというあなたの意見は完全に理解する」ラウチは答える。
ホーズ「周りの人たちに理解されないんじゃないかと思う。これでは人を怯えさせるだけだ・・」
ラウチ「これはわれわれの信じる世界がいかに素晴らしいものかということを人々が気付くきっかけになる。隣(となり)人を愛せよということがあなたの考えの中心でしょう。それは私も全面的に同意する・・・暴力の主唱者に決してなるなとわれわれは教えられている」
ホーズ「デビッド・コレシュもチャールズ・マンソンも2人とも黙示録をネタにした。なぜなら、聖書の中でも最も過激なものだからだ」
*訳注:デビッド・コレシュはブランチ・ダビディアンの教主。チャールズ・マンソンはアメリカのカルト指導者、犯罪者。終身刑で服役中に83才で死没)
このやりとりは10分ほど続いた。最後に2人はフェンス越しにハグをした。
祝福式の翌日、ジョージタウン大学出身のレジス・ハンナは60代の後半だが、最近、サンクチュアリ教会に参加するためペンシルベニアに引越してきた。レジスは妻ナンシーと一緒にカー・アームズのトミーガンのショールームに出かけた。
ドアの正面に、3体の動物が互いに重なる剥製(はくせい)が立っていた。ライオンとヒョウそしてアンテロープ。これらはすべてジャスティン・ムーンがタンザニアのサファリで仕留めたものだ。「インフォ・ウォーズ」がテレビの大画面に映されている。カーのピストルを持った、かかとの高いハイヒールを履いたスリット・スカートの美しい女性のポスターが2つの壁を飾っていた。
ハンナは拳銃を買うことを考えていた。彼はパナマから移ってきたが、パナマは銃規制の厳しい国だ。彼はそこで統一教会の宣教師として21年を過ごしていた。
彼と妻のナンシーは、いままで、多くの未婚のカップルの相談に乗ってきた。彼らはレバレント・ムーンのマッチングによるアメリカ人カップルとしては、きわめて早い時期に結婚したカップルだ。家庭をもって43年、2人の間に7人の子供がいる。

統一教会の分裂後、ハンナの家庭はショーン牧師に賭けた。レジス・ハンナは丸顔の穏やかな人物だが、現在、サンクチュアリ教会の有給のスタッフ(公職者)だ。祝福式典後の電話対応がいまの彼の仕事だ。教会本部の代表番号は彼の携帯電話につながるようになっている。折しも、ショールームに入るとすぐに電話が鳴った。ニュージャージーからだ。レジスはそれをスピーカーフォンに切り替えた。
「おまえたちは、まったく気違いか!宗教の意味も知らないのか!恥を知るべきだ!」
その1分後、また電話が鳴る。オクラホマからのものだ。
「まだ、もっとメンバーを受け入れる予定はあるのでしょうか。」ハンナは、その男性に日曜礼拝はYouTubeで視聴できることを伝えた。
すぐにまたかかってきた。
ブリティッシュコロンビア(カナダ)からだ。
「あなたたちがやっていることはすごくいい。ショーンが気に入った」
ハンナは「ありがとう、兄弟」と答えた。
韓鶴子が統一教会のトップに立ったことは波及効果をもたらし、すでに何百という教会員がハンナと同じ決断を下した。教会員がその忠誠をどこに向けるかによって、友人関係は裂かれ、結婚生活が破綻し、家族が分裂した。統一教会員の大半はまだ元の所にとどまっているが、その一部はショーン牧師の所に行き、またごく一部は兄のプレストン・ムーン(文顕進)がシアトルにつくった世俗のグローバル・ピース・ファウンデーションに移った。
またあるものは全く活動から身を引いた。
カイル・トフィー(65才)韓国に10年暮らしたこともある古参の統一教会員だ。
ショーン牧師から祝福式にAR-15ライフルを絡ませるという話を聞いたとき、彼は「最初は、すこし突飛な感じがした」と私(記者)に認めた。しかし彼は妻とともに参加した。
「個人的な懐疑をいったん保留して」まずはショーン牧師の決断を信じてみようということにした。加えて、武器を所有することから来る責任と自信を味わうようになったという。

「朝、拳銃をベルトで身につけると、町の保安官になったような気になるよ」
ダン・フェファマンはかつてワシントンの統一教会でレジス・ハンナと一緒に信仰生活をしていたことがある。フェファマンと妻は、ハンナ夫妻とは同じ祝福式で結婚をした。いまは、メリーランド州のブーイで暮らし、まだ家庭連合に所属している。しかしフェファマンも何度かショー・ムーンのところを訪れたという。
電話インタビューでフェファマンは、「私のように多くの者が、道理を言い聞かせようとして彼の所に行ったよ。」フェファマンの意見では、ムーン兄弟は、「どの教団にでもいるようなバランスに欠いたメンバーを引き付けるようだ。」フェファマンは鉄のつえについて「準軍事的な極右グループのようだ」。それ自体ヘイト集団とは言わないが、FBIには是非とも監視していてほしいね」
教会員の2世にとって、この選択は、より感情的な複雑さが絡んでいるようだ。。
統一教会は彼らの知る唯一のよりどころなのだ。
アンドリュー・スチュワートは統一教会の中で両親に育てられた。彼は大学の夏休みに何度かニューファンドランドにある特定宗派に属さない農場に実習生として参加した。そこでサンクチュアリ教会を知ることになった。
アンドリューは、教会の建物の数か所を小さな改修を手伝ったりしながら日曜礼拝にも参加した。、
本能的な感情の雰囲気が徐々に暗く沈んでいくのを感じた、と彼は言う。教会で会う多くの人たちはみな個人的に好きだけれども、何か神学的に「教会が人を怒らせることで勢いを得るように感じた」と語った。彼は徐々にサンクチュアリから遠ざかり、この春、家庭連合からも去った。
ソミヤ・チャプマン・ギャブ。彼女の父親は統一教会のイーストガーデンでスタッフとして活動していた。ソミヤは韓鶴子がレバレント・ムーンの宗教的テキスト(訳注;天聖経)を改訂したことに激怒して、2015年初めにサンクチュアリに飛び込んだ。ソミヤは夫と共に当時、ニューヨーク州のヨンカーに住んでいた。そこからサンクチュアリまで往復3時間かかる。しかし彼女の家族も、「厳しい非難を加える」説教に違和感を持ち始めた。また、一人のメンバーが他のメンバーから発砲されたという話を聞いて、2017年の終わり頃、ギャブはペンシルバニアまでの長時間ドライブをやめた。いまは自宅で聖書を読み、祈っているという。ギャブは、「まだサンクチュアリには希望がある」と考えている。しかし「ショーン・ムーンは、自分で気が付いていないかもしれないけれど、いつでも暴力沙汰をおこしかねない。」
サンクチュアリ教会のメンバー個々は、誠実で、理性的で、正直な人たちであり、良き隣人の器量を備えている。集団としてみると、教会での講話は、反対者の意見や世界観に対して我慢することができない。貧しい人々や弱者に対する話をあまり聞けない。
もっとも無気力にさせられるのは、絶え間なく暗黒世界の到来を告げていることだ。熱心なサンクチュアリ信仰者になるためには大惨事が清めの水になるということを信じることができる人間離れした信仰が必要とされる。たとえるなら、タイタニック号の甲板に立ち氷山に向かって、こっちに来いと声をあげ叫んでいるように見える。
ジャスティン・ムーン(国進ニム)は、われわれは黙示録が預言する終末期、神様と「神の闘士たち」が、地上の政治権力をサタンから取り戻す時に入った、と私(記者)に語った。
その観点で見るとき、2016年の大統領選挙は「とても大きな意味を持つ」。実際、大きな違いだ。「私は神様がドナルド・トランプを用いていると信じている」とジャスティンは言う。これは彼の弟もそう信じている。「トランプは完璧な人間ではないし、罪人ではあるが、ただ神様が彼を選んで用いているのだ、ちょうどダビデ王がそうであったように。」
父の生存中に聖書が予言した黙示録的な出来事が展開し始めた-とジャスティンは説明する。第2次世界大戦、冷戦、飢餓、疫病、そして今も延々と続く混乱、など。
聖書の予定は予測不能だが、終末の時と、それに対応する天一国の到来は、自分の生きているうちに来なければ息子の時代にはそれが成就すると彼の父、レバレント・ムーンは語っている。
ショーン・ムーンの天一国合衆国憲法は強力な文書だ。
国家を逆転させて、そしてアクセルを踏む。少しその中の条文を見ると:
下院で大統領選をする。王は最高裁判所の裁判官を任命する。
議会は所得税または財産税を課してはならない。また議会は医療、教育、社会福祉、医療保険制度に資金を出してはならない。
この憲法は特に、中央銀行、環境保護庁、国家警察の存在を許さない。
何と、いかなる常設軍ももたない。ジャスティン・ムーンは天一国合衆国は国防に関しては「スイス・モデル」に従う。例えば、スイス空軍では少数のプロの管理者が航空機のメンテナンスをスケジュールし、訓練計画を練る、しかし志願する市民がすべての航空機を手入れし、飛ばすのだ、とジャスティンは言う。また彼は、スイスの防衛システムは長い間、スイス連邦の安全を守ってきたともいう。永世中立国であることが少しは関係しているにしても、これは本当だ。
ショーン牧師の見立てによれば、トランプ大統領は神の計画実行に関して素晴らしい働きをしているという―少なくとも包括的歳出法案に賛成して一兆ドルの国家債務を増やすまでは。
それに、4月にシリア空爆もいただけないという。空爆の数日後、ショーン・ムーンはその問題についてインターネット番組の「キングズレポート」で語った。
「これ(空爆)はトランプを当選させた支持者にとって、大変に不安なニュースだ。われわれは戦争を望んでいない。外国との関わり合いにはうんざりしている。・・・180度逆のことをやってしまった。トランプが、あのとんでもないヒラリー・クリントンになったようだ・・・トランプがもしこの路線を続けるなら、アメリカは死んでしまう。・・・トランプは多くの欠点と多くの罪を抱えた人だが、いま彼は地球上の最悪で邪悪なものに屈服している。」
この不正は続いた。ショーン・ムーンがこの「キングズレポート」をまさに録画した日に、大統領の顧問弁護士マイケル・コーエンが家宅捜査を受けた。またコーエンは2013年に行われたジョージ・ソロスの結婚式(訳注:40才のタミコ・ボルトンと83才のソロスが結婚した)で司会を務めた。そこにゲストとしてナンシー・ペロシ(合衆国下院議長。民主党所属)も招かれていた。ジョージ・ソロスといえばショーンによれば「反キリストで、ロスチャイルドの使いっぱしり」だ。
裏での駆け引きがあるからまともには分からないと、彼は言う。結局「ディープ・ステート」がトランプを引きずり下ろすだろう。
ここでもまた、ショーン牧師は、あらゆる悪い知らせは実際素晴らしい知らせだということがグッド・ニュースだという。隠れた手が動いているのを感じる、そして「キングズレポート」の LIVE 放送でなぞ解きをする。

国が失敗するのが早ければそれだけ、アメリカ国民がすばやく正気を取り戻して鉄のつえ、天一国を受け入れるという。いま、神はトランプを使ってアメリカを撃っているようだ、アメリカを再生するのではなく。
「われわれにもはっきりとどう展開するかはわからない。しかし、終末にはよくなる前にまず悪くなるのだ」とサンクチュアリメンバー、そして YouTube の視聴者、世界に向けてにショーン牧師は語りかける。
おわり
翻訳:サンクチュアリNEWSオーナー Hally
_____________________________________

三代王権の天運天福が皆様とともにありますように。励ましのクリック聖霊感謝です。
にほんブログ村 哲学・思想ブログ サンクチュアリ教会へにほんブログ村 にほんブログ村 哲学・思想ブログ キリスト教へにほんブログ村 
遺伝罪恨霊解怨、傍系解怨については、感謝できる方のみお問い合わせ下さい。

0 件のコメント:

コメントを投稿