2018年12月19日水曜日

ROD OF IRON KINGDOM■書籍 鉄のつえの王国 1~5章 文亨進 著 HARRYⅡ翻訳


ROD OF IRON KINGDOM
書籍 鉄のつえの王国5章  文亨進  著 HARRYⅡ翻訳

全11章中、5章までサンクチュアリNEWSで連載された
鉄のつえの王国 本からの転載です。ありがとうございます。


第1章
フロリダ州 パークランド Parkland,Florida

2018年2月14日のバレンタインデー、心を病んだニコラス・クルーズという若者がフロリダ州パークランドにあるマージョリー・ストーンマン・ダグラス高校の前で車を降りた。午後2時19分だ。その2分後、ストーンマン・ダグラス高校元生徒のクルーズは、ドラムバッグとバックパックを背負って12号館へ入って行った。その数秒後、撃ち始めた。
ブロワード郡保安官代理のスコット・ピーターソンはその時キャンパスの事務所にいた。

午後2時22分、火災報知器が作動し、学校中に鳴り響いた。コーラルスプリングの緊急派遣センターを経由して最初の911番への通報がなされた。
午後2時23分、「通知する。ひょっとして・・・爆竹の可能性もあるが、発砲された可能性がある。1200号館で発砲の可能性。」ピーターソンが無線連絡を入れた。
その時にはピーターソンは12号館の南東の角の到着していた。
「120号館だ!ホルムバーグ・ロードを隔てた建物だ」数秒後、ピーターソンは半狂乱になって叫んだ。
銃の乱射は、最初は廊下、さらに、1階と2階にわたって5つの教室で繰り広げられた。911コールセンターに電話が殺到しはじめた。キャンパスから生徒たちが逃げ出してきた。ピーターソンは「校舎の中に入らないように!」と放送する。
校舎内で銃声が聞こえていたにもかかわらず、ピーターソンは校舎の外に居続けた。

午後2時27分、クルーズが12号館に入って6分後、銃声は止まった。自分のAR-15ライフルとベスト、そしてすこしばかりの銃弾を3階の階段に置いたまま、その場から立ち去った。

午後2時32分、銃撃が始まってから11分後、コーラルスプリングの警官4名とブロワード郡安全公安官補2名が「犠牲者を現場から連れ出す」ため、警官として最初に現場に到着した。
通りの先、クルーズはウォールマートに入りサブウェイで飲み物を買っていた。

午後3時40分、ココナッツクリークの警官がクルーズを発見し、抵抗を受けることなく逮捕した。翌日、クルーズは17件に上る第1級殺人と17件の殺人未遂で起訴された。

犠牲者は—
スコット・ベアイジェル: 地理教師で銃撃が始まったとき生徒たちを自分の教室に戻るように手招きしているときに射殺される。

アーロン・ファイス: アシスタント・フットボールコーチ、飛んでくる銃弾から生徒を守ろうと生徒の前に身を投げたときに射殺される。

クリス・フィクソン: ダグラス高校体育局長
アリッサ・アルハデフ 14才
マーチン・アンギアーノ 14才
ニコラス・ドレット 17才
ハイメ・ガッテンバーグ 14才
ルーク・ホイヤー 15才
キャラ・ラウラン 14才
ジーナ・モンタルト 14才
ジョアキン・オリバー 17才
アライーナ・ペティー 14才
メドー・ポラック 18才
ヘレナ・ラムゼー 17才
アレックス・シャクター 14才
カーメン・シェントラップ 16才
ピーター・ワン 15才
悲しみにくれる生徒と両親は「なぜ、こんなことが起きたのか」と問うた。武装した警官がキャンパス内にいたのに。
また、他の者は犯行に使用されたAR-15セミオートマチックライフルに意識を向け、アメリカ国内での販売の禁止を求めた。
難を逃れたパークランド高校の生徒はCNNが御膳立てした集会、その他のテレビニュースに出演してAR-15の販売制限ないし禁止する法律を即時制定するよう求めた。

高校生たちは憲法修正第2条を支持する国会議員はNRA(全米ライフル協会)のいいなりになっていると非難した。

俳優のジョージ・クルーニーとその妻は、全米の銃暴力反対運動のために50万ドル寄付した。クルーニー夫妻の主張は他の有名人たちに同様の行動を促した。そこで繰り返し叫ばれた題目はこれだった。
「NRAに死の責任がある」
銃規制の法律が事件を防ぐ、ということに懐疑的な他の生存者は、CNNの集会で話もさせてもらえなかった、あるいは意見が事前にCNNのスタッフによって没にされた、と不満を述べた。
国民の生命を守れなかった政府 Government’s Failure to Protect Lives

今回の銃撃事件は市民の生命を守るべき政府の無能を、まさに悲劇的な形で証明した。いかなる理由があったにせよ、ブロワード郡の保安官代理スコット・ピーターソンは学校の中に入り、犯人と交戦あるいは制止することができなかった。他の警官が到着したときには銃撃は終わっていた。

この事件以前に、地元の自治体はニコラス・クルーズの常軌を逸した、暴力的な挙動について(当局に)39回も通報していた。伝えられるところによれば、クルーズは「人々を殺し、全身に血を浴びる」夢を見たという。また、動物を虐待したり、銃弾を詰めたバックパックを教室にもって行ったり、暴力をふるう脅しをかけたりしていた。警察当局はクルーズが危険であるという警告を再三受けていたが、対処しようとはしなかった。
FBIもクルーズに関する2つの情報について対応し損ねた。一つは、インターネット上でクルーズが残した次のようなコメントだ。
「俺はプロの学校射撃手になる」

暴力の脅迫はそれだけで重犯罪であり、逮捕および銃器購入を禁止することが許される。
いったいなぜこれらの脅迫にもかかわらず彼は逮捕されなかったのか。その答えに読者は驚くだろう。5年前にブロワード郡の公立学校は、問題のある学生の逮捕を減らす趣旨のオバマ政権の政策を受け入れていたのだ。2013年にブロワード郡の学校はその指導方針を改めた結果、問題ある生徒が、薬物使用、暴行、その他の犯罪行為などの問題行動をとっても停学、退学、逮捕することが実際できないようになっていた。

その理由は?
学内で犯した犯罪のために刑務所送りになる少数派(マイノリティ)の学生の数を減らすためというのがその理由だ。

第1章
この(オバマ政権による)13にのぼる報告義務のない犯罪を認める懲罰政策の積極的推進者がブロワード郡保安官のスコット・イスラエルだった。彼は高校での乱射事件の責任を回避して、全米ライフル協会に責任をなすりつけた。scott israel   Google 検索.png
スコット・イスラエル
この新しい政策がとられて以後、数年間で、多様な民族を抱えるブロワード郡での不良学生の逮捕率が、フロリダ州で最も高いとことろから、学生の収監率に関してフロリダで最も低い地域になった。学生の停学、退学処分の数も急激に減少した。
法を破った生徒に対して、(オバマの)PROMISEプログラム、すなわち機会、メンタリング、介入、支援、教育を通して再犯を防ぐプログラムが、刑務所送りとカウンセリングにとって代わったのだ。
オバマ政権はブロワード郡の改革に賛辞を送った。
2015年、ブロワード方面の地区の警察本部長はホワイトハウスのRETHINK DISCIPLINE(規律の再考)行事に出席した。そこで、ブロワード郡の目覚ましい「方針の転換と学内環境」が行事の目玉となった。
ニコラス・クルーズはストーンマン・ダグラス高校から停学処分を既に受けていた。実際、学校に銃を持ち込んで追い出されたこともあった。しかし、(オバマの政策のおかげで)逮捕歴が付かなかったので自由に銃を買うことができた。
パークランドの高校での銃撃事件以前に、幾度となく逮捕に相当する行為を行ってきたにもかかわらず、ニコラス・クルーズは警察によるマークを逃れ、身元調査を免れた結果、3名の教師と14名の生徒を殺す銃を手に入れることができたのだ。

これらすべては、オバマ政権の教育省の指導を採用した結果である。クルーズの学校地区はブロワード郡の他の十数地区の学校と並んで、この戦略的政策の第一線を走っていた。そこでは心理的障害を抱えた者、ときに犯罪行為を抑制できない生徒たちが、法的責任を免除されているのだ。その狙いはただ、「学校から刑務所へのパイプライン」を通りにくいものにするということだった。

連邦政府補助金への申請からわかったことは、ブロワード郡教育長ロバート・ランシーの計画こそがオバマの教育長官アーン・ダンカンの教育省から数千万ドルの連邦補助金を引き出したということだ。このロバート・ランシーがキーパーソンとなった。
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(写真左 アーン・ダンカン 写真右 ロバート・ランシー)

今回の事件は、政府が市民を守ることにかけていかに無能であるか、そして、「進歩的」な連邦政府の政策が地方レベルで、いかに常識外れなものになり得るかということを知るための典型的な先例になった。

地元の学校関係者も地元の捜査当局もクルーズという少年が時限爆弾であることを知っていた。しかし、郡の教育長と郡保安官が連邦補助金を増額することで合意していた以上、なすすべがなかった。学校犯罪を減らす彼らの解決策は、「報告するな」(なかったことにする)だったのだ。
もし仮に、銃を使ったまずい事件が起きればどうする? NRA(全米ライフル協会)を非難せよ、だ。

第2章 
ペンシルバニア州ニューファンドランド 
Newfoundland, Pennsylvania

ペンシルバニア州ニューファンドランドは小さな静かな町だ。私たちのコミュニティはメイン・ストリートにある、空き家になっていた教会を購入した。イエス様と私の父、文鮮明師の教えに基づき、毎週日曜の礼拝を行い、幾度か聖婚祝福式を現地のメンバーと世界各国のメンバーと共におこなってきた。そこにはメディアの関心も問題も何もなかった。

パークランド銃撃事件で、それが劇的に変わってしまった。何カ月も以前に計画していた行事がいきなり1面のニュースになったのだ。20以上の報道機関から、40名を超えるジャーナリストが2月28日の「生命の書」祝福行事を録画するために集まってきた。新聞とテレビの放送によって、世界の大陸に住む10億人以上の人々、すなわち各メディアの視聴者と読者に「AR-15の祝福」という見出しで、けばけばしく伝えられたのだ。
Couples lug AR 15 assault rifles to Pennsylvania church blessing1
Sanctuary Church to Hold Gun Rights Dinner WNEP com
いくつか、私たちに届いた「控えめな」電子メールを紹介しよう。

あなたとあなたの教会はフロリダのパークランドの学校で命を落とした17人の学生と教師の死について共に責任を負うべきだ。あなた方はネバダ州でのコンサート乱射事件の犠牲者の死について共犯だ。オーランドのナイトクラブ乱射事件の犠牲者の死について共に責任を負うべきだ。あなた方は共犯者だ。戦争兵器を一般人が所有、使用、乱用するのを容認するあなた方はアメリカの罪なき人々の死に責任を負うべきだ。 キャサリン・S

あなた方のような人びとこそが、宗教が死んだと今いわれる理由だ。馬鹿々々しくて、あなたたちのような類の者は早く消え去ればいい。あなたの教会の気違いが他の気違いにアサルトライフルを互いに発砲すれば、あなた方に消えて欲しいと願う、すべてのまともなアメリカ人にとってそれが解決策になるだろう。あなた方は全員、精神障害者で見下げ果てた者たちだ。全員、恥を知るべきだ。 アダム・C

一人のキリスト教徒としていうが、あなた方全員の魂は永遠に罰を受ける地獄行きだ。何と哀れで病んだ人々なんだ。あなたたちのために祈る。神の助けがあるように。 ラス・M

何か正当化することがあるのだろう・・・そこまでひん曲がっているなら。イエスはどんなサイズでも好みの人殺し道具を認めるというのか。お前たちは病んだ、危ないくそ野郎だ。KD

非良心的で、驚くほどの愚行! RTB

これで、少しはお分りだろう。メディアの報道や怒りのメールはさておき、そもそもわれわれは「銃を祝福」などしていない。2月28日、数百名のカップルが世界から集まってきたのはそれぞれの結婚をお互いに、そして何よりも神様に献呈するためだ。

私たちは銃、われわれのいう「鉄のつえ」を崇拝などしていない。われわれが崇拝するのは私たちを似姿として造ってくださった神様であり、神様がわれわれ一人一人と個人的関係を持ってくださることを切望するのだ。
私たちの結婚に神様の祝福を求めるのは、夫婦の愛の中、親子の愛の中にこそ、神様が深く住まわれることを信じるからである。このような祝福結婚は、力強い社会と地上天国の礎石になる。

神様の人類に対する願いは創世記1章28節に人類始祖に対する言葉として表現されている。

神は彼らを祝福して言われた、「生めよ、ふえよ、地に満ちよ、地を従わせよ。また海の魚と、空の鳥と、地に動くすべての生き物とを治めよ」

神様の人類に対する願いは創世記1章28節に人類始祖に対する言葉として表現されている。

神は彼らを祝福して言われた、

「生めよ、ふえよ、地に満ちよ、地を従わせよ。また海の魚と、空の鳥と、地に動くすべての生き物とを治めよ」

私たちにとって第1の祝福は「生めよ」これは霊的に成熟することを意味します。第2の祝福は「ふえよ」、これは神を中心とする結婚、神を中心とする家庭を確立するということです。第3の祝福は「すべてを治めよ」これは人類すべてが、神の原理と本性に基づく神の主権を打ち立てる権利を持っているということです。
残念ながら、私たちの最初の先祖は堕落の罪ゆえにこの「3つの祝福」を成就することができませんでした。彼らの堕落には自己中心的な肉的交わりが関わっています。

個人の霊的成熟と、祝福された結婚、地上に対する神の主権、という神様の理想が成就しなかったということです。統一教会のメンバーにとって、聖婚祝福式は単なる結婚ではありません。キリストの堕落と縁のない王の血統に結婚と家庭が接ぎ木されるのです。黙示録19章9節にある「子羊の婚宴」です。

黙示録では、キリストは繰り返し「鉄のつえの支配(黙示録2:27)」について述べています。しかし「支配」という言葉は本来「導く、世話をする」あるいは「保護する」という意味のギリシャ語のポイマイノが語源です。したがって、この聖句はわれわれに神様が子供たちを鉄のつえで保護する、群れを独裁者のようではなく、愛する父として護ってくださるということを語っているのです。

同様に、私たち一人一人も「鉄のつえ」の力を用いるように求められています。それはこの世のサタンの王国が行ってきたように、人を傷つけたり抑圧するのでなく、神の王国とその住民を守るために用いるのです。

あなたと私には家族と社会、そして究極的には国まで守る責任があるのです。「鉄のつえ」は男にも女にもそして老人にも自分達と他の人を略奪者から守る能力を与えてくれます。
射撃魔から生徒たちを守るために、体一つで校舎に飛び込んだフットボールコーチが銃を持つことを許されていたならば、彼等の命を含む多くの命を救うことができたでしょう。

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生徒を守ろうとして命を落とした3人のフットボールコーチ

生きるか死ぬかという状況で、第一対応者になるのは、たいていの場合、警官ではありません。それはあなたや私なのです。危機的状況で、警官が到着し、事態を掌握し、誰が関わっているのか特定し、とにかく、どんな対策を取るかを判断するまで10分から20分、ときにはもっと時間がかかります。

パークランド銃撃事件の場合、ほとんどの警官は到着が遅過ぎて、被害の拡大を防ぐことができませんでした。彼らにできた事といえば、せいぜい負傷者を手当てし、死体を運び出し、事件の報告書を書くことだけでした。
真の神の信仰は、妄想の世界のおとぎ話ではありません。神を愛し隣人を愛することの責任を男も女も引き受けるということです。他の人を守るためには、よろこんで自分の命さえ危険にさらす。これは、私の父が亡くなる前、私に教えてくれたことです。だから私も自分の子供とサンクチュアリのコミュニティにこれを教え、訓練しているのです。

父は現在の北朝鮮で生を受けました。ですから、人びとが無防備でいるとき何が起きるのかを十分に理解していました。共産主義の支配が及んだ時、父はキリスト教の説教をしているという理由で逮捕され、興南の死の強制労働所に送られました。そこで囚人は飢えに苛まれながら、死ぬまで働かされるのです。ダグラス・マッカーサー将軍率いる陸軍が父と他の囚人たちの命を助け、解放してくれました。父の家族の多くも数えきれない他の同国人とともに命を落としました。

私の父は、自分を拷問し、親族を殺した男たちを許しました。独裁者金日成に会いに行き、北朝鮮の近代化のためにと援助の手まで差し伸べました。

父はまた、朝鮮戦争後、韓国とその国民が決して無防備でいてはならないと、韓国で銃器の会社を立ち上げました。

神様はわれわれに地上天国における、父の共同相続者、共同後継者になることを願っておられるのです。(ロマ書8章、詩編2章をみよ)

これが、私が2月28日の祝福式に参加するカップルに、自分の「鉄のつえ」を持参しなさいといった理由です。鉄のつえの目的は人を傷つけることではなく、無垢な命を守ることです。

私の父はこう言いました。
「保護圏がなければ、命が脅かされます。そして命が脅かされるとき、愛は現れることができません。」

第3章
西側世界の内乱 Civil War in the Western World

アメリカは徹底的に分断された国です。それは4年ごとに行われる大統領選挙での民主党の強い州「ブルーステート」と、「レッドステート」と呼ばれる共和党の強い州での、有権者を巻き込んだ戦いを見れば火を見るより明らかでしょう。

しかし、この分断は単なる政府の役割や政策などに関する政治論争、それ以上のものなのです。本質的にもっと根源的性格をもつ論争です。すなわち超越した存在、すなわち神の存在と権威を受け入れ肯定する者と、神への信仰など無知に根差す未熟さだと主張する「専門家」の「啓蒙された」階層のいうことを信じる者との間の争いなのです。

18世紀ドイツの哲学者イマヌエル・カントはこう言いました。

啓蒙とは人間が自ら招いた未成年状態から抜け出ることである。未成年状態とは、他人の指導なしには自分の悟性を用いる能力がないことである。

啓蒙運動以来、多くの者が宇宙は「神の摂理」ではなく物理法則に支配されたものであるとみなすようになりました。科学の進歩に伴い、道徳の源としての神あるいは宇宙の秩序の源としての神はもはや必要ないと人類は考えるようになったのです。理性それ自体と科学で十分だと。

そのような(信仰という)義務から免れることを多くの者たちは喜びました。

フリードリッヒ・ニーチェはこう書き記しました。

「まことに、『年老いた神が死んだ』との知らせに、われら哲学者と「自由な魂」は新しき曙(あけぼの)に照らされる思いがする」

この解放を喜ぶニーチェだが、その暗い裏面も予知しています。

「キリスト教信仰を捨てるとき、その者はまさに自分の足の下からキリスト教的道徳を引っこ抜く。道徳は決して自明ではない。・・・キリスト教は一つのシステムだ。一つの全体として捉えられるものだ。その中の、神への信仰という、一つの主要な概念を壊すなら、全体を破壊することになる」
いいかえれば、至高の神への信仰を失うなら、もはやキリスト教的価値観、または道徳を維持する哲学的基盤が現実に存在しなくなるということです。
ニーチェ   Google 検索.png
殺人は悪か?   誰がそう決めたのか? 人殺しはいつの時代も悪いことだとあなたは思うかもしれませんが。別の人は違った見方をするかもしれない。盗みは悪いことか?  殺人も窃盗もそれを取締る法律がある。では、法が変わればどうか。道徳は法律が求めるものを基礎とすべきなのか。法と人々の現実の価値観と実践との間に不均衡が生じたときにはどうするればいいのか。

個人的には無神論者であったニーチェも、脱キリスト教ヨーロッパの未来は困難で、むしろ悲劇的であると予知した。

「私が関わるのは次の2世紀分の歴史だ。何が起きるのか、もはや起こらないことは何であるか、それを描く。ニヒリズムの到来・・・これまでかなりの間、われわれの全ヨーロッパ文化は大惨事に向かうかのように動いてきた」
「神が『死んだ』」とするなら、次のようなものを信じる他ありません。

ニヒリズム
人生には本質的に何の意味も価値もないとする主義(虚無主義)

物質主義
思考、自由意志による選択、意識を含むあらゆるものは物質的相互作用の結果にすぎないと考える。

優生学
人の生命に固有の価値などなく、進化が支配的な種を生み出したのだから、ある人種は他の人種より「優れている」と考える。その結果、「劣った」亜種/人種の数を減らし、「優れた」人種を増やす行為は正しいことだとする。

ニーチェは人びとが「神は死んだ」という結論を下すとき、彼らが世俗的な大義や制度を崇拝することを予知していました。例えば、国家(民族)社会主義-自分達の民族の利益を崇め、守ろうとする国家であり、他の民族に対して力、暴力を行使することもいとはないような国。

あるいは、共産主義-「労働者階級」の利益を代表すると主張するマルクス主義独裁。「階級間の憎み合い」「階級闘争」に訴えることで、その合法化を追求する。

人びとが神への信仰と世俗のイデオロギーとを置き換えた場合、何が起こるかについては、20世紀は十分すぎるほどの証言を提供してくれます。民族のアイデンティティを掲げる国家社会主義ドイツ労働者党は1930年代に政権を取り、1300万から2100万人の命を奪いました。共産主義イデオロギーは20世紀だけで、推定1億5000万人の命を奪ったといわれます。20世紀の、政府による大量殺人、「デモサイド(民衆殺戮)」は国外、国内の戦争で死んだ人の数の6倍以上、2億6千2百万人に上ります。

政府が好ましくない国民を始末したいと思う場合、国民が武装していると厄介であることは言うまでもありません。大量殺戮、ジェノサイドに先立ち、銃器の押収と登録を行うというゾッとするようなパターンを見ることができます。その例は次のようなものです。

・1915年、アメリカ人の大量殺害に先立ちトルコ政府は銃規制を強めた。

・ ドイツは1938年、ユダヤ人に対する銃の販売を禁止した。1939年から1945年まで、総計千3百万人の丸腰の武装解除されたユダヤ人と他民族が強制収容所に送られ、処刑された。

・ 1929年、ソビエト連邦は銃規制を開始し、それまで重武装していたソビエト市民から武器を押収した。1929年から1953年まで、もはや自衛手段を持たない約2千万人の反体制派が、集められ虐殺された。

・ 中国の銃規制政策は中華民国によって1938に開始された。1948年から1952年にかけて、2千万人の反体制政治家が自衛手段も何もない中、共産党政府によって皆殺しにされた。また加えて、5千3百万人が、大量の餓死者を発生させることになった政府の政策で殺される。

・ カンボジアは1956年に銃規制を開始。1975年から1977年に百万を超える国民が西側の価値観と文化にの教育または触れることで、それに「汚染された」とみなされ、殺された。

・ グアテマラは銃規制を1964年に導入し、その後、10万人のマヤ人を殺害した。

・ ウガンダでは銃規制政策を1970年に導入。8年間の恐怖政治が終わるまでに数千人のキリスト教徒が殺された。

これらの惨劇は脱キリスト教イデオロギーとその政治運動に根深い原因があります。異なる民族、宗教、階層の人々を人間とはみなさないのです。
これらのイデオロギーは、国家は、悪者とみなされた者達を排除する正当な機関だ、とみなします。
主流メディアは政府の計画した大量殺戮に加担しました。国のイデオロギーや大義に賛同しているジャーナリストたちは、国の行為を、どんな方法を使ってでも良いものとして描き出すのです。

第3章
西側世界の内乱 Civil War in the Western World
これらのイデオロギーでは、国家は悪者とみなされた者達を排除する正当な機関とみなします。主流メディアは政府の計画した大量殺戮に加担しました。国のイデオロギー、大義に賛同しているジャーナリストたちは、国の行為を、どんな方法を使っても良く描き出すのです。

・・・・・・・
ひとつ恥ずべき例として、ニューヨーク・タイムズ特派員のウォルター・ドゥランティを挙げることができます。彼はソビエト連邦の「革新的」な共産党指導者を讃える一連の記事を書いて、1932年に権威あるピューリッツァー賞を受賞しました。ドゥランテイの記事はウクライナ農民約4百万の(スターリンによる)強制された餓死について、ニューヨーク・タイムズの読者を欺きました。

残念ながら、全体主義の大義や政府についての真実性に欠いた報道が蔓延しています。最近の例でいうと、かつては豊かな国であったベネズエラで起きた、飢餓と栄養失調による多くの国民の苦しみと大量の死者に関する報道です。民主主義的な反体制派が選挙人名簿の監査を嘆願したにもかかわらず、社会主義者のウゴ・チャベスは、テログループのヒズボラだけでなくイラン政府、シリア政府の助けを借りて秘密(警察)のネットワークをつくり出しました。それに止まらず、キューバの秘密警察まで連れてきてベネズエラ市民をひそかに監視したのです。

チャベス独裁の後継者、ニコラス・マドゥロはキューバ、イラン、ロシア、シリアから支援を受けました。民主主義的反体制派を排除する策が講じられ、共産主義体制の支持者だけにしか食料を供給しないということまでしたのです。ハイパー・インフレーションと価格統制は危機的な物不足をもたらし、基礎的な医療用品すら店の棚から消え、人々は簡単に治療できる病気でさえ死にかけています。
チャベス Google 検索マドゥーロ大統領 Google 検索

ファシストは気に入らない民族集団の人間性を奪います。共産主義者は、「アンチ・ファシスト」を自認しながら、自分たちの政策に協力しない者たちを「労働者階級の敵」となじります。

二つのイデオロギーが共に見落としていることは、どんな民族や階級にも、極端な善人も極端な悪人も存在するという事実です。自分たちのグループ、階級、民族を自己崇拝することは、神を畏れぬ考えであり、その結末は、道徳的な人なら誰も望まない血塗られた歴史の跡を残してきたのです。

その一方で、2018年の始めに発表された報告は、「キリスト教徒はいまだかつてない迫害に直面している」と警告しています。「迫害され、忘れられ(Prosecuted and Forgotten)」(訳注:世界各国のキリスト教徒の迫害を調査報告している団体ACNの報告書)では今のままキリスト教徒に対する暴力が継続するなら多くの国のキリスト教徒は生き残れないと警告を発しています。この報告書は北朝鮮を含む世界各国での「言語に絶する暴虐」ぶりを浮き彫りにしています。北朝鮮ではキリスト教信者は「強制的な飢餓、中絶、また報告書によると信仰の強いものは十字架につるされて火あぶりにされ、スチームローラーで轢き殺される者もいる」といいます。
Aid to the Church in Need Persecuted and Forgotten
報告書は続けて:

(報告書から引用)
他のどの多宗派よりもキリスト教徒が迫害を受けているだけでなく、非常に酷い迫害を受ける信徒が増加し続けています。中東での迫害はもっぱらイスラム過激派によるものですが、ナイジェリアでも、イスラム主義者ISISとも提携するボコ・ハラムによって2百万人近いキリスト教徒が追放されたという報告があります。

・・・この広範囲にわたる迫害。証拠から見て、西側諸国と貿易や戦略的なつながりのある国の体制が、迫害を受ける少数派、特にキリスト教徒のために西側諸国が影響力を行使するのが当然である(訳注:自国の反体制派に対する軍事介入を願う)としているように見える。

これ以上キリスト教徒を、戦略的ご都合主義と経済的利益のために祭壇の供え物にすることは許されない。
(報告書引用以上)

一方で、アメリカ人の大半はそのような現在進行中の、キリスト教徒や宗教的少数派への残虐行為の事実を全く知らないか、ほとんど知らないのです。大学のキャンパスでは、キリスト教徒や他の宗教少数派に対する大量虐殺に反対するよりも、多くの学生は、自分たちが気になる「自覚なき差別」(マイクロ・アグレッション)などのために闘っているのです。

人が現実の善と悪の存在が見えなくなるとき、闘う大義として新奇な世界、「ミクロ」の幻想を思いつくのでしょう。これは全体主義者にとっては喜ばしい知らせです。なぜなら彼らの飽くなき野望は、世界中のユダヤ人とキリスト教徒を追放し、ユダヤ・キリスト教的思想を排除することなのだから。3章終わり

第4章

左翼ファシストの西側への脅威 
The Leftwing Fascist Threat to the West

20世紀半ばまでに共産主義者に殺された者の数が数千万人に達し、マルクス主義者、資本主義批判者は、宣伝活動による攻勢が必要となった。それに好意的な主流メディアの助けを得て、左翼は大衆の注意を、ナチス・ドイツによる集団虐殺に誘導した。その一方で、ソビエト連邦や、中国、ベトナム、カンボジア、キューバでの膨大な数の、そして増加の一途をたどる死者の数については最小限に見積もった。

共産主義独裁や、社会主義を支持する左翼に対して公然と疑問を呈する者は、誰かれ問わず「ナチ」のレッテルを貼った。イタリアのファシズムの研究者、アンソニー・グレゴーが指摘するように、キリスト教徒を公言する者、減税を主張する者、政府規制の緩和を求める者、人為的な「地球温暖化」に対して疑いをもつ者や、「絶滅危惧種」の衰退に関心のないものたちには決まって「ファシズム(ファシスト)」のレッテルが貼られる。皮肉なことだが、本物のファシストは上に述べたような立場は一切取らない。

「ナチ」という名称は「国家社会主義(ドイツ)労働者党」の党員を指す。ナチスはアーリア民族に傾斜した民族主義的な行動計画を有する社会主義者だ。彼らは国民の生活に対してより大きな政府のコントロールと規制を求めるが、決してそれを軽減することはない。

信じられないかもしれないが、ニューディール政策の民主党のアメリカ大統領、フランクリン・デラノ・ルーズベルトは、ムッソリーニと、彼の中央集権政府による計画と行動を称賛していた。

1933年5月7日、ルーズベルトの大統領就任の数か月後に、ニューヨーク・タイムズの記者アン・オヘア・マコーミックは当時のワシントンの雰囲気について「黒シャツ隊の行進後の最初の1週間の雰囲気、あるいは、5か年計画を開始したモスクワの雰囲気と妙に似ている。・・・現在のアメリカはまさに命令を求めている」と書いた。また「ルーズベルト政権は、イタリアの組合国家風の産業、労働、政府の連合を構想している」と続けた。。
1930年代を通して、知識人やジャーナリストは「ニューディーと、ファシズム、国家社会主義が収束する領域」をよく口にした。この3つのものは、個人主義、自由市場、地方分権という「古典的な英仏の自由主義」をしのぐものとみなされていたのだ。

「3つのニューディール:ルーズベルトのアメリカ、ムッソリーニのイタリア、ヒトラーのドイツについての回想1933-1939」という著書の中でヴォルフガング・シーヴェルブッシュが書いているように、「アメリカ人の進歩派たちはドイツの大学で学び、無秩序な自由主義原理による支配などによらない、現代社会を組織する最も効果的なやり方として、強力な国家とプロイセン軍国主義というヘーゲルの理論を評価するようになった。」 

ルーズベルト自身が、ムッソリーニを「称賛に値する」といい、「ムッソリーニが成したことに深く感銘を受けた」公言した。ムッソリーニもこの称賛に報いた。1933年のルーズベルトの著作「Looking Forward」によると、ムッソリーニは、ルーズベルトに手紙でこのように書き送ったという。
「国はもはやそれ自身の働きに任せておくことができないという(ルーズベルトの)原則はファシズムを想起させるものです。・・・確かに、この大転換に伴うムードはファシズムが持つそれに似ています。」

ナチの主要機関誌、「フェルキッシャー・ベオバハター(訳注:「民族的観察者」の意)は「ルーズベルトが国家社会主義的思想の特質を彼の経済、社会政策に採用したこと」と、「個人的利益の前に集団的な善を優先させる必要性」に基づいた「権力国家に向けての進展」に対して繰り返し賛辞を送った。 
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ナチの機関紙「フェルキッシャー・ベオバハター」
1944年、「隷属への道(The Road to Serfdom)」の中で、経済学者F. A. ハイエクは、計画経済は全体主義をまねく恐れがあると警告した。ハイエクは、アメリカ人とイギリス人に対し、ドイツ人の魂の中に何か固有の悪が潜んでいると考えるべきではない、とくぎを刺した上で、ハイエクは国家(民族)社会主義は、何世代もかけて西側世界に沁み込んできた集産主義者の考えに依存するものだと述べた。

ロナルド・レーガンや、現在ではドナルド・トランプ大統領などが、国家権力を限定するための多くの政策をとっているにもかかわらず、主流ニュースメディアはいつも、彼らを新しい「ヒトラー」だの「ナチ」だのと非難する。政敵を簡単に怪物に仕立てようと、無配慮のまま「ファシスト」と呼ぶ前にどうして政策について議論をしないのだろうか。

第4章 左翼ファシストの西側への脅威 

The Leftwing Fascist Threat to the West

多数から一つへ? E Pluribus Unum?

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アメリカ建国のビジョンは、その国章に刻まれています。「E Pluribus Unum」。その意味は「多数から一つへ」。人種、宗教、国籍が何であれ、「生命、自由及び幸福追求に対する侵すことのできない権利をもつ」という保証のもと、皆がアメリカン・ドリームへの参加を歓迎されるのです。

マーチン・ルーサー・キングの有名な言葉に、人は「肌の色によってではなく、人格そのものによって評価される」べきだ、というものがあります。

「多様性」を意識するあまり、左翼は国章のモットーを「一つから多数へ」と逆にしています。彼らのポストモダンの「多文化的な」言い方をすれば、建国の理念は単に「白人男性の特権」をごまかすためのものだ、といいうことになります。彼らの見方では、私たちは一つではないのです。私たちは、「多様な」人種の集合であり、増加の一途をたどる、人種/性別/トランスジェンダー/LGBTQのグループなのです。そして政府の権力を使って「平等」を押し付け、かつての犠牲者から奪い取ったお金を再分配させることを求めているのです。
全米の大学で広く使われている言葉に「白人の特権」というものがあります。テキサス州立大学の学内新聞の論説には「あなたの(白人の)DNAは忌まわしいもの」の見出しで「合衆国で白人であるということは人種差別者の権力システム永存させてきた構成概念だ」とし、記事はこう続けています。
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「白の死は全員にとって解放を意味するだろう・・・それが成るまでは、これを覚えていてほしい:あなたたちは存在すべきではなかったから、私は憎む。あなたたちは地球上の支配的機構であり、あなたに出会った他のすべての文化をその内で殺す深い淵だ。」

しかし、アメリカがもしそのような白人優位主義の怖ろしいところであるなら、どうしてこれほど多くのアフリカ人、アジア人や、ラテン・アメリカ人が、ときには命懸けでこの国にやってくることを望むのでしょうか。世界のそれらの地域から移民してきた第一世代が何世代もアメリカで住み続けている平均的アメリカ人よりもいい暮らしをしているのはどうしたことなのか。おそらく、彼らはアメリカの大半の大学生が知らないアメリカについて何かを理解しているのかもしれません。それは、アメリカで一生懸命働くならば本国では想像もできないようなチャンスに出会うことができるということです。
確かに、どの国にも多数派にはそれなりの特権があるでしょう。日本にいる日本人もそうでしょうし、中国に住む中国人もそうでしょう。またアメリカに住むヨーロッパ人を祖先に持つ人々にも言えるでしょう。しかし、民族ベースの政治論信奉者たちは「少数民族」であるアメリカ在住のアジア人の平均所得が他の民族を抜いて最高の、81000ドルで、「白人」を33%上回っていることをどう説明するのか。

神が世界で最も自由が豊かな国として祝福して下さった国を蔑むように教え込む大学に自分の子供たちを行かせるかどうかについて、私はじっくり考えることにしたい。

反ファシズム ANTIFA
全米各地で開かれた「反ファシスト」の集会で、黒い服を身に着け、共産主義のシンボル「鎌(かま)と槌(つち)」を派手に描いたスカーフで顔を覆ったANTIFAというグループのメンバーたちが、横断幕を掲げて行進しながらアメリカ人に「白人至上主義を倒せ」と叫んでいた。この「ANTIFA」という名称は、普通「反ファシスト(anti-fascists)」や、「反ファシストの活動(anti-fascist action)の省略したものと思われがちですが、じつはAntifaschische Aktion(反ファシスト行動)という、1930年代に活発だったドイツの共産主義運動からとったものです。下の写真の中央ではANTIFAのデモ隊が共産主義のシンボル「鎌と槌」の入ったケープをまとっているのが見えます。
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作家で映画製作者のディネシュ・ドゥスーザはこう指摘しています。

「・・自称反ファシズムと、ファシズムの間の密接な関係は、ANTIFAの主要なスポンサーであるジョージ・ソロスの知られざる一面に見出すことができる。ハンガリー生まれのソロスは、その抜け目ない世界的投資と為替操作で億万長者になった。ソロスのクォンタム・ファンド(訳注:ヘッジファンドを運用するジョージ・ソロスが総帥を務める投資会社)は世界最初の民間ヘッジファンドのひとつだ。ソロスは200程の左翼グループの主要な支援者であり、その中にはプランド・ペアレントフッド、ムーブオン、ブラック・ライブズ・マターなどが含まれる。

ソロスはまた、自称、反ファシスト・グループにも支援している。今年、ソロスが支援する団体アライアンス・フォー・グローバル・ジャスティスは、リフューズ・ファシズムに関係する戦闘的なチンピラどもに5万ドルを寄付している。

ソロスは単に何かの活動に資金を投入しているだけではなく、破壊的暴力援に援助しているのだ。ソロスの、特有の衣装を身に着け、棒切れを振り回す戦隊はまさに私設軍だ。イタリアの黒シャツ隊や、ナチの突撃隊と同じように、金で雇ったチンピラの傭兵をつくり出した。ソロスの戦略は十ないし数百のグループを送りだして、どれが一番効果的か見極めるといいうものだ。投資資本の市場からお金を借用して、私に言わせれば、ソロスは金で雇ったチンピラをつかって「ベンチャー暴力」を行使している。」

ドゥスーザは、1998年CBSの60ミニッツ(アメリカの人気ドキュメンタリーテレビ番組)でソロスにインタビューに注目する。その中でソロスは十代の頃ハンガリーでユダヤ人の資産と所持品を没収するのを手伝ったとき、何の罪の意識も感じることはなかったと語っていました。ドゥスーザはこう結論します。「ソロスと左翼による自称、反ファシズムは詐欺行為だ。なぜなら彼らが闘っている相手、ファシストなど存在しないからだ。彼らの活動で、走ズムを見つけるとするなら、それは彼らの活動そのものがそれだ。」

メディアは左翼の語るものが辺りによろこんで加担し、そのファシスト的傾向を覆い隠しました。ユーチューブは、最近、南部貧困法律センターにその「ヘイト監視リスト」に入っている他のチャンネルと共にサンクチュアリのユーチューブ・チャンネルを停止しました。
停止されたリストには元大統領候補や、アメリカ合衆国住宅都市開発省長官のベン・カーソン、それにソマリア生まれの男女同権主義者アヤーン・ヒルシ・アリなども含まれています。アヤーン・ヒルシ・アリは、イスラム世界での女性の権利を唱え、強制的結婚、名誉(暴力)殺人、子供の結婚、女性器切除に異を唱えている人です。

南部貧困法律センターの「ヘイト監視リスト」には、家族調査評議会やルス・インスチチュート、アライアンス・ディフェンディング・フリーダムや、自然な結婚を支援する団体、アメリカの人権宣言に保障された信仰の自由を支援する団体も含まれているます。南部貧困法律センターは悪意をもって、南部民主党がその創設に関わったクー・クラックス・クランなどの正真正銘の人種差別団体と同列にそれらの団体を扱っているのです。

作家で、フィランスロピー・ラウンドテーブルの副会長でもあるカール・ジンスマイスターはこう説明しています。

「自分と意見が異なるものを黙らせる、これは最もアメリカ的でない。厳密な討論と、誠実な話し合い、考え方の、オープンなやり取り、これがアメリカのやり方だ。しかし自由な思えと言論が、耳障りのいい名前を付け、その悪辣な意図を隠した団体によって脅かされている。その団体とは南部貧困法律センター(SPLC)だ。」

ジンスマイスターは南部貧困法律センターのリーダー、マーク・ポトクが支持者に語っている内容を撮ったビデオを指摘しています。

マーク・ポトク「・・・マスコミはわれわれが「ヘイト団体を監視する」と言っているが・・・私ははっきりいっておきたい。われわれの人生の目的は、それらの団体を壊滅すること、完全に壊滅することだ。」

南部貧困法律センターの背後の首謀者は、ヘイトを無くすのではなくむしろそれを煽っているのです。
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南部貧困法律センター
このような「マッカーシズム(訳注:1950年代にアメリカ合衆国で発生した反共産主義に基づく社会運動、政治的運動)的な」戦術ゆえに、南部貧困法律センター自身が地球上で最も大きな左翼ヘイト団体とみなされるべきでしょう。

これもユダヤ・キリスト教的価値を嫌うジョージ・ソロスや他の金持ち左翼が資金援助しています。南部貧困法律センターの攻撃に同調するグーグル、YOUTUBE、フェイスブック、ツイッターなどによる、アメリカ建国のビジョン、すなわち小さな政府のビジョンを支持する保守系団体への攻撃は、自由を愛する者たちの背筋を寒くします。

4章終了

第5章 イスラム主義の挑戦 

The Challenge of Political Islam

父がまだ生きている時、互いに異なる信仰を持つ指導者を招いて、「神様のもとの一つの世界」というテーマのもと何十回となく国際会議を開催しました。これらの宗教指導者たちが神の子である人間として、それぞれが互いの尊厳と価値を認め合うこと、そして彼らが神を中心とする結婚と家庭を確立する中心的重要性を認めることが父の願いでした。父は、指導者たちが各自、国に戻って、彼らの門人もこういう価値を実現するよう励ましてくれることを望んでいました。

そういう超宗教イニシアティブを積極的に促進しながらも、私の父は主であり救い主であるイエス様のその比類なき立場をはっきりと理解していました。父はイエス様の3年間の宣教がいかに人類の歴史を形づくったかを何度も繰り返し話しました。

父は表現の自由、信教の自由の権利は、神から与えられたと宣言する建国の文書を有し、政府の権力を抑制する権利の章典をもつ国、アメリカ合衆国を、ユダヤ・キリスト教の教えの結実と見ていました。アメリカは世界の中の善の勢力として召命された国だと信じ、北朝鮮の監獄から自分を解放してくれたアメリカ軍への感謝を幾度となく繰り返し口にしていました。

全人類は共通の神聖な源をもつという聖書の教えに基づいて、アメリカは異なる信仰をもつ人々、信仰をもたない人までも受け入れ、彼らが良心の自由を行使することを歓迎しました。しかしまた私の父は多くのアメリカ人が、この国と世界に対する思想的、政治的脅威の正体をわかっていないことを知っていました。

そのために、ワシントンタイムズの設立を通して、莫大な費用を投入しながら国民を教育し、他の国にも新聞社を作り、その一方で共産主義の弁証法的唯物論を批評し反対提案をするためのセミナーを主催してきました。父は大統領選挙ではロナルド・レーガンを強力に支持し、彼の「力を通した平和」戦略を支持しました。
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レーガンの政策は数多くの共産党政府を没落に導き、その結果何億という人々を圧政から解放しました。

父はまた、政治的イスラムの挑戦もはっきりと見て取っていました。率直な議論はむしろ封殺して、この問題を見ないようにすることの方を好む人が多くいますが、私の父は不都合な真実について声を上げることを恐れませんでした。
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誤解のないように言うと、キリスト教徒のなかにも良いクリスチャンも悪いクリスチャンもいますし、ユダヤ教徒にも良いユダヤ教徒と悪いユダヤ教徒がいます。イスラム教徒も同じです。私たちは各自、毎日の生活の中で良いこと悪いことのどちらかを選択して生きています。しかし、これらの宗教の率直な議論をする場合、議論がどのようなものであれ、その本質的な世界観の違いを考慮しなければなりません。
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