奇妙で危険な
「鉄のつえミニストリー」の内幕
AR-15は神の意志を実行するための道具であり、その意志はトランプにあると「鉄のつえミニストリー(Rod of Iron Ministries)」のリーダーは言う。
by Tim dickinson (ティム・ディキンソン記者 )
2022年8月18日 午前6時30分
国会議事堂での暴動から数日後、催涙ガスを浴びるほど暴動の近くにいたショーン・ムーン牧師は扇動的な暴言をインスタグラムに投稿した。
ムーン牧師はトレードマーク、弾丸王冠を身に着け、黄金のAR - 15アサルトライフルを後ろに置いて、カメラに向かって「1月6日は第二次米国革命ボストン茶会事件である 」と宣言した。
その日の暴力を非難するどころか、ムーン氏は、この暴動を、アメリカの国会議事堂を「サタンの聖堂」と呼んで、「地球上で最も強力な人々が、ネズミのように、恐怖とパニックで、トンネルの中に逃げ込むようにした」と賞賛したのだ。
「その日、神は勝利を収めた」とムーン氏は主張した。ドナルド・トランプのクーデター計画を支持しないアメリカの選出議員を「犯罪者たち」であると指して、「彼らは、そのイメージが頭から離れないでいる。」今、彼らは「”ああ、ちくしょう、もしも、また同じことが起こったら、警察は身を引くかもしれない”と気づいている」と牧師は付け加えた。
ムーン氏は、統一教会から分離した過激派「鉄のつえミニストリー」の指導者である。42歳になる牧師は、世界的な宗教指導者であり、ムーニとして知られる信者から、再臨のキリストと崇拝されている故・文鮮明氏の息子である。
この若いムーニーの教会は、AR-15アサルトライフルを聖書の「鉄のつえ」、つまり神の正義の道具として賛美することで悪名を轟かせている。
ペンシルベニア州スクラントン市郊外に本部を置く鉄のつえミニストリーは、信者が教会に武器を持ち込む儀式で警鐘を鳴らしている。
ムーン牧師は、地上の政治と結びついた終末の神学を説いている。そして、兄のジャスティン(気の利いたことに、突撃兵器を販売する銃の会社を所有している)と共に、ショーン・ムーンはMAGAの世界で政治力を築こうとしている。
トランプ家の息子たちとのつながりを培い、毎年「リーダムフェスティバル」を主催して、スティーブ・バノンを講演に招き、さらにはペンシルバニアから、2020年の選挙人団の偽の名簿のトップに自分の名前を挙げたNRA(全米ライフル協会)理事との関係を築くために、このようなことをしているのである。
ムーン氏は、1月6日の参加者で、ペンシルベニア州副知事選にダグ・マストリアーノの優先候補として出馬したテディ・ダニエルズ氏を「我々の偉大な友人でありキリストにおける兄弟」と呼んでいる。
ムーン氏は、たびたび、脅威をもたらす革命家ではなく、狂信者として描かれてきた。しかし、弾丸の冠をかぶった伝道師が奇異な存在として笑い飛ばされる時代は終わった。
共和党の指導者たちが、選挙に負けたときの対応として暴力を容認する、あるいは必要だと考えるようになっている現在、ムーン氏の教えは、政府転覆を神の定めとして描くことで、覆い隠していた一面を現したのである。
国会議事堂への襲撃の後、ムーン氏が喚起した政権交代への熱狂は、今も衰えていない。先週、FBIがマール・ア・ラーゴ(フロリダ、トランプ大統領の別荘)に踏み込んだ時、ムーン氏は再びインスタグラムを使い、司法長官と司法省の高官を「忌まわしい、偽りを吐く社会病質者」として非難し、「アメリカよ、この悪魔に抵抗せよ。神は我々と共にある。」と嘆願した。
ヒョンジン "ショーン" ムーン牧師の子供時代は、控えめに言っても、典型的な子供時代とは程遠かった。
彼はニューヨーク市郊外のウェストチェスター郡にある19エーカーの教会の敷地で、家族のもとで身を寄せるようにして育った。一家が直面した安全上の脅威のため、彼は「近所をぶらつくことも、友達と遊ぶことも、自転車で外に出ることも許されなかった」と、2018年の本の中でムーンは振り返っている。家庭が「刑務所のように思えた」と書いているように、彼はブラジル柔術(現在は黒帯)、そして最終的には銃器などの護身術の訓練を受けることで、この厳しい孤立から抜け出そうとした。
ショーンの父親、文鮮明師は、韓国で設立された保守的な世界的宗教運動である統一教会の創設者であり、指導者であった。文鮮明氏は自らを聖書の言うメシアと称し、信者が罪から解放されるとする大規模な「集団結婚式」を主宰したことで有名である。また同性愛は神に対する重大な背信行為であるとし、同性愛者を「汚い糞犬」に例えた。
米国では、文鮮明氏は虚偽の申告で1年半の禁固刑を言い渡されるなどの法的トラブルを乗り越え、保守系の「ワシントン・タイムズ」を設立し、ブッシュ一族と親密になるなど、ワシントンで政治力を培った。
2004年の奇妙な式典では、文鮮明氏は、ダークセン上院議員会館内で戴冠式を行い、十数人の議員の前で自らを神の現れであると宣言した。
2012年に教祖が死去すると、統一教会とその巨大企業の支配権をめぐる激しい後継者争いが勃発した。文鮮明氏の妻で、信者の間では「真の母」として知られる韓鶴子氏は、支配力を強化した。韓鶴子氏は、ハーバード大学の神学校で学び、自分が父親の後継者に選ばれたと主張する息子のショーンを排除した。
ショーンは母を「バビロンの娼婦」になぞらえ、裏切られたと感じ、2013年に自分の宗派を立ち上げた。ムーン牧師の教会はAR-15を偏愛する形で進化し、2017年に 「鉄のつえミニストリー(Rod of Iron Ministries)」として再ブランド化された。
この教会は、フロリダ州パークランドの学校での大量虐殺のわずか数日後のセレモニーで、アサルト・ウェポンを教会に持ち込む式典を2018年に行い、国民が意識に飛び込んできたのである。
ムーン牧師は、信者が自分のために作った磨き上げられた弾丸王冠をかぶり、AR-15は聖書の「鉄のつえ」、つまり神聖なる力の道具であると説いている。この奇妙な聖書の解釈は、詩篇(「あなたは鉄のつえで彼らを打ち砕き、陶器のように粉々にされる」)や黙示録(「鉄のつえで彼らを支配される」)などの一節に由来しているとしている。
終末神学を説くムーン氏は、天の王国がまもなく地上に建設されると予言し、ムーン氏の重武装した信者がこの地を支配する手助けをすることになるとしている。キリストの主権を共有する神の王国の市民は、自分の家族、隣人、国を自分の鉄の杖で守る責任を負う」とムーン牧師は著書「鉄のつえ王国」に書いている。
ムーン氏は、自分自身(と自分の子孫)をこの未来の神の王国の君主とする、その王国を「天一国合衆国」(略称CIG)と呼んでいる。ムーン氏はCIGを「まだこの世に存在しないが、時の終わりの待ち望んだ頂点である主権国家」と表現し、その憲法まで書いている。CIGの憲法はアメリカの憲法に漠然と似ているが、中絶と同性婚を禁止し、ムーンを王として据えることが際立っている。
2021年10月に開催された「第3回 鉄のつえフリーダムフェスティバル」で
講演するショーン・ムーン氏
説教をするときのムーン氏は早口で険しい。アサルトライフルを主の道具として扱う教会にはうってつけの人物だ。しかし、会話では、もっと穏やかな印象を受ける。
テネシー州の田舎に2021年に建設されたムーン氏のミニストリーの新しいリトリートセンターからZoomコールにおいて、ローリングストーン誌に語ったところでは、ムーン氏の父親はキリストの再臨であるが、彼は自分自身を神とは見なしていない、むしろ「普通の人々が法王とみなすような、キリストの代身者のようなもの」だと明言した。
ムーン氏の支持者は全世界で約15,000家族であるという。
ムーン氏は、鉄のつえミニストリーをカルトと呼ぶ人たちのことは気にしていないと言う。「それは私たちを悩ますものではない。ムーニーは何十年もの間、カルトとして非難されてきた」と彼は言う。「私たちはこの50年間、そのようなレッテルを貼られ続けてきた」「我々はそのような迫害に慣れている」と。
ムーン氏はCIGが ”中央集権の王国ではなく、自由と責任の王国 ”になると主張している。彼は話しながら、彼の教会の信念のいくつかを説明した。「私達は同性愛は獣姦と同じだと考えている」と彼は言い、「デートや結婚前のセックスを重大な罪と見なす」厳格な道徳規範を説明した。
定義上、天一国合衆国を樹立するには、現在のアメリカ合衆国を転覆させることが必要である。ムーン氏は武力行使を否定し、むしろ「人々が自己決定し、神の霊に導かれることによって、それぞれの国で有機的にそれを制定していくだろう」と述べている。
しかし、このようなソフトな表現の裏には、同じように暗いメッセージが隠されている。ムーン牧師はまた、「鉄のつえ」、つまりAR-15は、「人々が常に政治的僕を抑制することを可能にする道具」になると主張している。
もっと分かりやすく言えば、ショーン・ムーンは終末論的、革命的、重武装、アサルトウェポンを信奉する宗教団体のリーダーであり、南部貧困法律センターは「反LGBTQカルト」と表現している。
政治的な過激派は利益を生むものであり、偉大なるムーンファミリーも例外ではない。ショーン・ムーンの教会では銃は神聖なものである。しかし、兄のジャスティンにとってはビジネスである。
鉄のつえミニストリーは、ペンシルベニア州で終末のキリスト教と憲法修正第二条原理主義の流れを交差させることで、共和党支持層の最も基盤となる人々と交流しようとするMAGA政治家にとって強力な引き立て役となっているのだ。
ペンシルベニア州ニューファンドランドにあるショーン・ムーンの銃推進教会は、彼の兄弟がグリーリー近くに本社を置くカー・ファイアーアームス・グループの銃ビジネスと密接に結びついている。(両町ともスクラントン市の郊外にある)。
カー・アームス・グループは、トンプソンなどいくつかの銃のブランドを所有し、AR-15だけでなく、公道で使用されるトミーガンの製造も行ってる。NRA(全米ライフル協会)はカー・アームスを「NRAのプレミア産業同盟」と宣伝しているが、同社はさらにハードコアな国銃所有者協会(GOA)と積極的に提携し、GOAの「妥協亡き同盟」の一員として議会で銃規制法案と闘争している。
ショーン・ムーン牧師は兄を「私たちの教会のメンバー」と表現し、「他のメンバーと同じように、彼は心の中で感じたことを組織に貢献している」と付け加えた。
ムーン氏に、「鉄のつえ」というブランド名を教会に採用することと、兄のビジネスを後押しすることと関係があるのかと質問したところ「いいや、もちろん、そんなことはない。」とムーン牧師は答えた。
MAGA運動の指導者に敬意を表し、ジャスティン・ムーン牧師の銃器会社は、
トランプ氏の肖像とスローガンをあしらった武器の数種類を発売している。
父親と同様、ムーン兄弟もアメリカの右派の有力者と関係を深めようとしており、現代のグランド・オールド・パーティ(共和党)は、その肥沃な土地であることが証明されている。
2016年にジャスティン・ムーンの会社「トミーガン・ウェアハウス」という銃器店をオープンした時、ショーンが祝祷をし、エリック・トランプが基調講演を行った。また、兄弟はともに、ジャスティンだけでなく、ショーン・ムーンのインスタグラムのアカウントに大きく登場するドン・トランプ・ジュニアとの写真撮影を求めたこともある。
MAGA運動の親愛なるリーダーを称えるため、ジャスティン・ムーンの銃器会社は、ロータス1911ピストル、最高司令官AR-15、45代大統領のために45口径にしたトランプ・トンプソン トミー・ガンなど、トランプの肖像とスローガンを冠したいくつかの武器ラインを立ち上げている。
2019年、ムーン兄弟は一緒に、”憲法修正第2条”を祝うための無宗派のイベント「鉄のつえフリーダム・フェスティバル」を立ち上げた。
その2021年のラインナップには、元トランプ顧問のスティーブ・バノン、保安官が合憲かどうかを決められるというインチキ理論の発案者リチャード・マック、元NRA・TVスターのダナ・ローシュ、『銃が多いほど、犯罪が少ない』の著者ジョン・ロットらが含まれていた。
そして、2020年の選挙では、ムーン牧師はトランプが勝つことが神の御旨であるとみていた。
選挙期間中、ムーンは臆面もないトランプ支持者だった。11月2日にスクラントン近郊で行われた選挙集会で、MAGA帽子をかぶり、"ゴッド・ブレス、トランプ!"と唱える姿をインスタグラムで撮影している。
ムーン氏は当初、トランプの敗北に打ちひしがれていた。選挙翌日、「赤い蜃気楼」が引いていく中、ムーン氏は「もう人の手には負えない!神の恩賜によってのみ、トランプはウィスコンシン、ミシガン、ネバダに勝つことができる。今はイエス様と完全に一つになった私たちの真のお父様にかかっている!!! 王国を祈り続けよう!」と投稿した。
やがてムーン氏は、法律や伝統に反して、ジョー・バイデンへの平和的な権力移譲を阻止しようとする政治運動の中心に身を置くようになった。ワシントンDCでの”100万MAGA行進”や、ペンシルベニア州の州都ハリスバーグでの”ストップ・ザ・スティール”集会に参加したのだ。
ムーン氏はその後、12月12日に連邦最高裁判所前で行われた、2020年の選挙結果を覆すために神の介入を求めるジェリコ行進集会で呼びかけを行った。
ムーン氏は、ペンシルバニア州の選挙人をリコールさせる活動にも参加した。
1月3日には、ペンシルバニア州のブライアン・カトラー下院議長の自宅前で、同州の選挙人を罷免するよう求める抗議デモを手伝った。
1月6日に向けて国が動き出すと、ムーン氏は "黒衣連隊 "と呼ばれる右派の宗教指導者の緩やかな連合体と関わり始めた。ムーン氏らはかつてイギリスがアメリカ独立のきっかけとなった過激な伝道師をあざけるために使った名前を流用したのだ。
ムーン氏はすぐに、1月6日を明確に軍国主義的な言葉で宣伝した。
12月30日に投稿されたビデオでは、ムーン氏は、兄の銃器倉庫があるトミーガンの壁の前で祈った。アメリカ独立を呼び起こし、神がトランプに「建国の父たちの中にあった精神、悪に立ち向かう精神」を与えてくれるようにと願った。そしてムーン氏は「司令官の呼びかけに応じて、1月6日に彼の支持者が動員されるよう」神に願った。
1月5日。ムーン氏は銃だけでなくバイクにもこだわりがあり、暴走族のような”鉄のつえライダー”の一団をワシントンDCに集結させた。ムーン牧師は彼らの目的が「DCの偵察」だと書き、偵察の様子を撮影したショートフィルムを掲載した。そこでは迷彩色に塗られたドクロのフェイスマスクをつけていた。
1月6日当日、夜明け前の暗闇の中、ムーン氏はモールに姿を現した。暴徒が議事堂に押し寄せた時、ムーン氏は催涙スプレーを浴びるほど近くにいた。ムーン氏の正確な役割は不明だが、彼の教会の信者の一人であるデイビッド・カナジー氏は、鉄のつえミニストリーズのウェブサイトにその時の体験を書いた、ミニストリーのメンバーが警察の陣地を乗り越えようとしたことについてである。
カナジー氏の文章、特に「国会議事堂に入るための二度目の失敗に関する一節」は、ムーン氏が信者から獲得している献身を予見させるものがある。「私は他の人が左側の観覧席の階段を登っているのを見たので、彼らの後を追って階段を登った。」と彼は書いている。またカナジー氏は、足場が不安定であることを警告されたと付け加えた。
「私は心配しないで、王を支えるために、そこにいるべきだと思った 」と書いているが、これは明らかにムーン氏のことである。「もしも、足場が多くの人のせいで崩れたら、それは悲劇だが、それはそれで供え物としての死になるだろう。」と書いている。
今日、ムーン氏は1月6日の「狂人」たちと、自分を切り離すことに苦心している。
彼はローリングストーン誌に、催涙弾を受けたとき、自分と彼の信奉者は「平和的に歌っていただけだ」、「賛美歌やゴッド・ブレス・アメリカなどを歌っていた」と主張した。
そして「私たちにとっては、平和的に集会する憲法修正第1条の権利を行使しただけだ。」とムーン氏は言った。
しかし、この直後、ムーン氏は、1月6日は「ゴリアテの無敵の空気が打ち砕かれた日」として歴史が正しく評価すると主張し、1773年の最初のティーパーティーも「当時は非難された」と付け加えた。
ペンシルベニア州ニューファンドランドの世界平和統一聖殿での礼拝で、
弾の入っていない銃を構える男性
ムーン牧師は、警察や1月6日委員会から連絡を受けていないという。
ショーン・ムーンはジョー・バイデンの就任式をよく思っていなかった。2021年1月21日のビデオで、ムーン氏はバイデン大統領の就任を中国共産党の勝利であると、非難に満ちた言葉で投げかけた。バイデンを指して、「中国共産党の傀儡工作員が、かつてのユダヤ教的なキリスト教共和国であるアメリカを簒奪したのだ」と述べた。
ムーン氏は、民兵組織「オース・キーパーズ」の創設者を引き合いに出して、武力抵抗を説いた。「神は私たちに神の手と足になれと言っておられる。オース・キーパーズのスチュワート・ローズ氏が言ったように、すべてのトランプを支持する人々は今、隣人を守る民兵の一部として立ち上がる必要がある。」と。
ムーン氏は、「カルト主義者、過激派、国内テロリストと呼ばれることを恐れて身を縮めている場合ではない」と主張し、ムーン氏は自分の家族がカルトと呼ばれた長い歴史を指摘して、付け加えた「参加せよ。乗り越えろ」と。
銃好きの牧師は長い間バンディ一家を尊敬してきた。バンディ一家の政府との一連の武装抗争は、「連邦権力の乱用」に立ち向かうために必要な「人格と勇気」を象徴していると、ムーン牧師は書いている。
「スターリン的な呪いの機械がやってくる」と警告したムーン氏は、ビデオを続け、唯一の防御は大衆の抵抗であると主張した。「バンディ牧場は100カ所はあるはずだ」とムーン氏は言い、その武装した、にらみ合いについてこう付け加えた。「どこもかしこも、そうでなければならない。そうすれば、1つの牧場を襲ったことは、すべての牧場を襲ったことになる。」と。
そのような動揺したレトリックにもかかわらず、ムーンと彼の教会は、MAGA政治家への浸透を続けている。
2021年5月、現在ペンシルバニア州の共和党知事候補であるダグ・マストリアーノが鉄のつえミニストリーズで講演する予定であった。マストリアーノは代わりに、ルディ・ジュリアーニを資金調達イベントに登場させた。ムーン氏は、二人はまだ個人的に会ったことがないと言っているが、マストリアーノについては、「我々は彼と彼の政策を支持する 」と主張した。
10月に開催された2021 鉄のつえフリーダム・フェスティバルでは、元トランプ顧問のスティーブ・バノンが特別ゲストスピーカーとして登場し、プラウドボーイズと関係が深い極右の元上院議員候補、ジョーイ・ギブソンも登場した。
テディ・ダニエルズは、ムーン牧師が所有する黄金のAR-15を手に自撮りするなど、ムーン牧師と親交を深めた(兄の会社が造ったこのライフルは、窒化チタンコーティングによって独特の色合いを帯びている)。
2022年のフェスティバルのラインナップはまだ流動的だが、すでにトランプ大統領の元ホワイトハウス顧問のセバスチャン・ゴルカや元国連大使のアラン・キーズが名を連ねている。
ムーン牧師は、自分と自分の教会を「政治的悪魔主義」との戦いの中に見ている。彼がMAGA運動に身を投じたが、それは「人は自由を追求している。そして、小賢しい陰謀に平然と支配されたくない、という人間の願望」を反映しているからだと主張する。
ムーン氏に、「MAGA派の人々は、神の王国を築くために必要な出来事を進めるのに役立つと見ているのか」と尋ねると、「神がこれらの関係すべてをどのように使われるかはわからない」とムーン氏は、はぐらかした。しかし、ムーン氏の動機は「同じ志を持ち、同じ心を持つ人々、そして神の王国における神の御旨を追求したいと願う人々と一緒に立つことにある。」とムーン氏は言う。
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