朝鮮半島情勢考察2019年1月
2019年1月24日
ファンクラブ三原
朝鮮半島の事大主義
朝鮮半島は大陸に成立した大帝国の侵略に常にさらされてきた。
朝鮮半島は大陸に成立した大帝国の侵略に常にさらされてきた。
朝鮮半島が大陸の属国になっていった元凶は新羅が中国帝国(唐)と手を組んで高句麗、百済を滅ぼし中国帝国の属国になる道を選んだことにある。
以降、モンゴル帝国(元)という中国帝国による属国として蹂躙、清中国帝国による属国として蹂躙は凄まじいものであった。
中国大陸の王朝が交代するたびに、新帝国に寝返るという凄まじい権力闘争が起きた。「旧帝国派」の人々は一族もろとも粛清された。
朝鮮王朝の始祖、李成桂は中国帝国(明)に寝返えり民族を中国に売った。更には蔑んでいた清が中国大陸の大帝国になり清に屈辱的な屈服と属国化を強いられた。
朝鮮半島は大国に忠誠を立てることにより、国をつくり、維持する事大主義に生きざるを得なかった。時には新羅、朝鮮のように事大主義を利用し大国に事大することにより自ら属国の道を選んだ。同時に蔑む民族が中国全土の帝国になることに対する自尊心の毀損は自分たちが中華文明の本流を受け継いだという小中華思想と、選民思想による自尊心によりこの屈辱を耐えてきた。
朝鮮王朝末期、国力の無い朝鮮は清、ロシア、日本のいずれかに事大するしかなかった。
結局日本に事大したのだが、日本は古来より蔑んできた民族、日本に対する事大はその自尊心を大いに傷つけた。
半島において、この島国の帝国は僅か35年で崩壊し、こんどはアメリカかソ連(ロシア)のいずれかに事大せざるを得ず、ソ連と対立していた中共の介入により朝鮮半島の分断が決定的になった。
朝鮮社会主義民族精神の造成
北朝鮮は対立する中国とソ連(ロシア)との間で朝鮮独自の共産主義である主体(チュチェ)思想を立てることで、社会主義と小中華思想と朝鮮民族主義が融合した強固な選民意識をつくりあげることに成功した。
それがゆえに中国の圧力にも、米国の圧力にも世界の圧力にも屈しない、北朝鮮の今の姿がある。
一方、韓国は、米国、日本との関係が深く、韓国の発展は朝鮮民族選民思想から見れば、韓国という国は不純物が混じった積弊の産物であった。
韓国では、北朝鮮と統一してこそ、理想民族国家が完成するという悲願がある。朝鮮半島が統一することで、世界で有数の大国になれるという思想は、左派も右派にも共通する理想である。そこには、「北朝鮮の核兵器が韓国のものになる」という思想もあり、韓国では「北朝鮮の核の脅威」について語られる機会はあまり多くない。
このように「韓国人は偉大な民族であり、それを世界中の人が認めるべきだ」という民族主義を韓国は左派も右派も共有し、左派はその理想を北朝鮮に求めてきた。
この民族主義は、ただ自分たちの民族を称えるだけでは足らず、それを他の人々にも認めさせずにはいられない、自然発生的な民族主義とは異質な民族崇拝宗教的な側面を持つ。これは左派も右派も共通する民族意識である。
それが故に、左派にとって、北朝鮮の人権蹂躙も経済の貧困も、朝鮮戦争による被害も眼中になく、憧れとなった。
しかし現実は厳しい。自負する民族の姿と現実との間に乖離がある場合、その精神的不安定の安定化を求め、自分たちではなく常に他者にその原因と責任を求める。これが日本罪悪論、いわゆる反日である。
裏切りの朝鮮歴史を繰り返す韓国
また近年の中国の目覚ましい台頭と韓国経済の貿易の27%も中国に依存するようになり朝鮮半島に絶大なる影響力を及ぼすようになったたことは、本来事大すべき相手は中国であるという無意識に刻まれた歴史的な潜在意識を覚醒させた。また、米国ははるか遠くにある国であるが、中国はすぐ隣の巨大な国であり、中国に対する歴史的恐怖が潜在意識に蘇った。
韓国人は偉大な民族ではあるが、まず中国の力を利用しなければならないと本能的にこの民族主義は考える。
それが故に中国に事大し北朝鮮に迎合する、米国にとっては裏切り行為であるようなことも、行った。もちろんそれ位は大目に見るのが同盟国の努め、自分たちの立場を理解すべきという大きな甘えがあり裏切りとは思っていないし、最後の最後まで米国は韓国を守ってくれると信じている。
しかし、米国にとっては、もはやいつ後ろから背中を刺すかも知れない、信用できない存在となっている。実際、2015年のリッパード駐韓米大使襲撃事件があった上、北朝鮮制裁と完全非核化に対する米国軽視、北朝鮮重視の姿勢は、米国政府、米国軍の大きな不信となっている。
米韓同盟のもと、韓国軍は韓国における親米派の拠点であり、日米同盟にも一定の配慮をしてきたが、文在寅政権は親米派の将軍たちを次々に罷免し、親北派にすげ替え、政府も行政も司法も親北派を重用した。運動圏(左派学生運動家)出身者が軍、政府、行政、司法を占める状態となってしまった。
文在寅政権による反日政策の正体
日本との徴用工の判決にしても、韓国政府は司法の判決を尊重すると言っているが、最高裁判長官は文在寅大統領の腹心の共闘革命家であり、三権分立どころか文在寅政権のまったくの自作自演である。その証拠に三権分立と言いながら意に沿わない前最高裁判長官は逮捕されることになった。これ程の独裁をやっていながら三権分立、司法を尊重すると主張し日本を圧迫しようとする詐欺にも等しい独裁政権的狡猾さは呆れるばかりだ。
日本のみならず米国の、韓国不信はピークに達している。
その証拠として、米国は、軍事覇権に直結する次世代通信規格5G時代を迎えるにあたり、今、ファウエイ排除に見られるように、中国排除の新アジア戦略を展開しようとしている。これは最高の機密情報を共有し、中国にもれないようにすることだが、この共有する国々を「ファイブ・アイズ」というこれは米国、英国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドであり、これに日本を加えた6カ国である。韓国は排除された。
米国は韓国を捨てたと見てよいだろう。
一方日本に対しては、北朝鮮、韓国の強烈な民族意識は、古来より蔑んできた日本に事大した激しい屈辱感、自尊心毀損の激しい痛みは、反日としてあらわれ、この自尊心毀損の痛みは朝鮮民族で共有できる激しい屈辱である。
もしも、日本ではなく他の強国が朝鮮半島を自国の国に編入していたのなら、これほどの激しい屈辱感も恨みも感じることがなかったであろう。
北朝鮮の脅威に晒されているはずのなのに、それを深刻に受け止めることができず、韓国は親北反日の大統領を選出した。
文在寅大統領は北朝鮮民族主義を中心とした高麗連邦国建設のために北朝鮮問題しか頭にない。経済政策を知らないポピュリスト的な彼は、共産主義的ばらまき政策で支持を得ようとしているが貧しきものはますます貧しくなり失敗の道を転げ落ちている。
その失敗の責任を日本に転嫁し、これからますます露骨な反日政策を繰り広げるだろう。なぜなら、文在寅大統領の思想は、日本的とみなせる全てが朝鮮民族の自主独立による発展を妨げた積弊であると考えており、日本はその積弊の根本悪そのものであるからだ。また韓国国民も日本は民族にとって弊害であるという認識が主であり、非常に煽動しやすく、文在寅政権が望むポピュリズムをつくることが容易だ。 ポピュリズムは大衆に迎合して人気をあおる政治姿勢であるが、ナチスが大衆の記憶に残り感情に訴える方法人気をつくった如く、文在寅政権は反日感情を利用している。
それが故に、韓国が力がなかったときは日本との経済関係は必要ではあったが、経済的に大きく発展した現在、その経済発展の基礎となった日韓基本条約は無用の長物であり、それどころか歴史から消し去りたい大きな積弊となった。
それだから徴用工などの問題でこの彼らにとって屈辱の歴史を書き換えようとしている。またこの積弊精算のイデオロギーは、韓国大衆の記憶に残り感情に訴えることに成功している。文在寅政権は日本との外交において、一見、韓国国民の感情を優先すると主張するポピュリズム政権に見えるが、民族を望む方向に扇動しその上に乗りそのイデオロギーを実現するというナチスのプロバガンダに似ている。
韓国海軍のレーダ照射事件問題の本質
一部の韓国保守派の人は、韓国が米国を裏切って北朝鮮の核武装に協力していると米国が現在認識し、米国からは同盟を打ち切られそうになっている状況を把握している。
しかし既に韓国の司法立法行政の細部に渡ってこの親北政権の権力が及んでおり、しかもこの親北政権の扇動ポピュリズムにより形成された強い民意があり、もはや為す術は無い。
このようにして、韓国と日本との緊張が高まれば米韓同盟にも傷がつき、米軍の撤収も早まる。
大法院の「徴用工」判決も、韓国海軍のレーダー照射事件も、このような文在寅政権の思想、戦略によって起きるべくして起きた事件であり、今後もこの戦略に基づいた事件が起きるであろう。
特に 、再び北朝鮮に不穏な動きが最近あり、そのために、日本およびアメリカ政府が警戒しているさなかで起きたレーダー照射事件の衝撃は大きい。
北朝鮮漁船の正体は北朝鮮の工作船である可能性が高く、韓国軍が反論に使った映像には、特殊部隊が使うAMモールス通信用のアンテナが写っていたというが、そうであるなら韓国海軍と北朝鮮特殊が共同作戦を行っていたことになる。これはなぜ漁船の救助に、大型の警備艇や軍艦まで出動しているのか、なぜ韓国側がこれほどまでに意固地に日本を非難し続けるのか全てが理解できる。
日本を非難することで、国民や世界の目を反らし、この韓国と北朝鮮との共同作戦という国連安保理制裁違反を隠したいことは分かるが、韓国側の意図とは裏腹に、韓国軍が北朝鮮工作員との関係について米軍と共有されているのは間違いない。それが故に日本も日米韓の防衛協力の重要性を強調しながらこのレーダー照射事件から手を引いたとみるべきであろう。
今回のレーダー照射事件により益々、日韓関係は悪化する一方で修復の緒さえ見えなくなった。この左派政権の「反日」は「反米」に繋がっている。米国も民族社会主義にとっては大きな積弊であるからだ。米国との同盟は極めて危くなっている。
米国の仮想敵国化した大韓民国
それどころか、この民族社会主義の問題は、米国、日本との関係のみに留まらず、北朝鮮が無頼の人権蹂躙国家であることを意に介さず、北朝鮮の使い走りとなり、その核武装を幇助するのが文在寅政権であることが世界に共有化されつつある。その人権蹂躙に無頓着な異様さは、北朝鮮だけでなく韓国も、北朝鮮と同類の民族国家であると認識され始めてきた。
もはや韓国は米国にとって仮想敵国になっていると言っても過言ではない。そえがゆえに在韓米軍は北朝鮮とこの左派政権の人質になっていると感じるのである。だから米国は韓国から撤退したい。
国がこのような極めて危機な状態にあるというのに韓国国民は政府やメディアに扇動され、「積幣清算」や「反日」に浮かれる。国が奈落の底に堕ちて行くのに、見動きがとれない蟻地獄の状態に韓国は陥ってしまった。
こうなってしまってはもはや手遅れと判断するのが妥当であろう。
しかも、これほどまでに北朝鮮の人権蹂躙に無頓着な政権がつくる国は人権蹂躙の地獄に陥るしかないのは自明の理であるが、韓国国民はやがて実現する朝鮮民族社会主義統一国家が文在寅政権をはじめとする左派勢力のプロバガンダに乗せられ豊かで強い民族理想国家ができると夢を見せられ酔ってしまっている。
恐らく、中国排除の新アジア戦略「ファイブ・アイズ」から韓国が除外されたように、このレーダ照射事件の本質である北朝鮮との共同作戦をもって、韓国は、北朝鮮・中国側陣営であり、韓国との軍事同盟は非常に危険であることに確証を得たであろう。それが故に日本も米国も次の布石のために静かに対処するという姿勢をとっていることも理解できる。
それにもかかわらず、日本の哨戒機の低空飛行が問題だと騒ぐ韓国側のその姿は、自ら奈落の底を目指しているようで痛ましい。
在韓米軍撤退と民族共産主義統一国家出現
以上のような内容から、韓国、文在寅政権は、米韓同盟を破棄したいのが本音である。
また米国トランプ政権も、在韓米軍を撤退させたいのが本音である。
本年2019年6月には、在韓米軍の家族が米国に帰り、アメリカンスクールが閉鎖されるというが、米軍は着々と準備を進めているようだ。
本年2019年6月には、在韓米軍の家族が米国に帰り、アメリカンスクールが閉鎖されるというが、米軍は着々と準備を進めているようだ。
しかし、双方とも先にこのことを口にしたくない。在韓米軍撤退後の責任を追求されたくないからだ。
今は、どちらが先に言い出すか、チキンゲームに入っていると言っても過言ではない。どちらが言い出し推し進めるかは分からないが、もしも実際に在韓米軍が撤退することになれば、恐らくは、レーダー照射事件などを使って、韓国側は日本に責任転嫁し日本を非難し続けるだろう。
トランプ大統領も2月末、金正恩と2回目の首脳会談を行う。
双方とも朝鮮戦争終戦宣言を行い、在韓米軍を無くしたい本音の意思は共通している。
金正恩の 朝鮮戦争終戦宣言 要求に対し 、今まで双方とも、強い難色を示してきたが、以上に述べたように状況は朝鮮戦争終戦宣言の方向に加速的に進んでいる。
文在寅政権 の目指すところは、 日本はもちろん米国も積弊として精算し、中国の加護の下、核武装した朝鮮独自の社会主義民族選民思想による「統一朝鮮」「統一高麗連邦」の実現である。そしてこの統一国家は、日本を最も汚い積弊とみなし、この反日思想によって国をまとめる強力な反日国家となるのは明白である。恐らくはこの論考で述べてきたように、この路線は、覆しようがないだろう。
このような民族共産主義統一国家がすぐ隣の国に出現することを私たちはまもなく目にすることになるだろう。つまり、かって共産主義との線引を対馬海峡に引いたアチソンラインが蘇り、日本はこのような異常な社会主義、共産主義との防衛ラインの最前線に立たされるということである。
恐らくはまったくの秘密裏に、米国と日本はこのことについて既に話し合われていることだろう。
ところが、日本自体内においても大陸、半島のこのような動きに賛同する勢力も強力に存在する。
日本はどうすべきか、今から覚悟し備えていかなければならない。
ー 本稿はここまでです。ー
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